米メタ社、メタバースでの嫌がらせを防ぐ機能を設置

パーソナル空間を設定できる機能を追加

米メタ(旧フェイスブック)社は4日、同社メタバースで、アバターがパーソナル空間を設定できる機能「Personal Boundary」を発表した。仮想空間でのセクシャルハラスメントなどを防ぐことを意図する。

背景には、メタ社の「Horizon Worlds」での報告を受けたものがある。21年12月、Kabuni Venturesのメタバースリサーチ責任者が、「Horizon Worlds」を試している時に、「男性の声のアバター」複数から、性的嫌がらせを受けたと報告している。

メタ社によると、今回リリースされた「Personal Boundary(個人的境界)」機能は、あるアバターが設定した距離内に、他のアバターが入るのを防ぐことで、よりプライベートな空間を作り出し、嫌がらせなどを予防する。

メタバースとは

インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使い、様々な楽しみ方ができる。例えば、『The Sandbox』というゲーム内のメタバースでは、ボクセルアート制作ツールやゲーム制作ツールが提供されており、ユーザーはそのなかで自作のゲームや施設を作ることができる。

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初期設定では、他のアバターとの間に約1.5メートルの距離が作られるという。メタ社は、この機能がユーザー体験にもたらす影響を確認しながら、改善を続けていくとしている。

この「Personal Boundary」が視覚的に表示されることはなく、デフォルトで常時オンに設定されているという。メタバース「Horizon Worlds」「Horizon Venues」の両方で機能追加される。

メタ社は、個人的境界の広さを、ユーザーがカスタマイズできるようにするなど、将来的に新しくUI(ユーザーインターフェース)を追加する可能性も検討している。

メタ社は、次のように述べた。

バーチャルリアリティ(VR)は、あらゆる人に開かれたものになるべきだ。私たちは、VRでの体験をより良いものにするため、常に努力を続け、コミュニティからのフィードバックを参考にしながら改良を続けていく。

多くの企業がメタバースに参画しようとしている中、「Personal Boundary」のような機能は重要なものとなりそうだ。

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メタ社の提供する仮想空間

メタ社の「Horizon Worlds」は、ソーシャルな要素のあるメタバースだ。ユーザーは、他のユーザーと一緒に、その世界を体験したり、ゲームなどを創作したりできる。

当初は招待制だったが、21年12月には、米国とカナダで、18歳以上のすべての人々が無料で利用できるようになった。

メタ社は、21年10月に、メタバース内でゲームなどを構築するクリエイターに向けた1,000万ドル(約12億円)のファンドも立ち上げている。

メタ社の提供するもう一つのメタバース「Horizon Venues」は、コンサート、スポーツイベント、コメディーショーなどのイベントを行うことができるものだ。

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