NFTがアジアの音楽業界にもたらす影響とは|Forkast寄稿
NFTは音楽の価値を取り戻せるか?
音楽業界の一部のユーザーやアーティストは、新たな収入源を確保するために非代替トークン(NFT)に注視していますが、暗号資産(仮想通貨)に積極的でない人が参加するのはなかなか難しいと思われます。
NFTのプラットフォームの中には、音楽ファンをNFTの世界に導くために、専門用語を無くし、このNFTという新しい技術が、たくさんのミュージシャンの収入源増加に繋がるよう、尽力しているところもあります。
業界専門家はForkast.Newsに対し、音楽配信サイトにより音楽作品の単価がほぼゼロになった今、NFTは再び音楽の価値を取り戻す可能性があると語っています。
とはいえ、マーケティング活動を大きくさせるためには、すでに多くのファンを持つ歌手やミュージシャンの既存ファンをNFTへ誘導することが不可欠と考えられています。
NFT普及における課題とは
しかし、デジタル・コレクション(NFT)という新しい形の商品を音楽ファンに買ってもらうためには、どうしたらよいかという課題が残されています。
台湾のNFTプラットフォームOURSONGの共同設立者で、ロックバンドEchoのメインボーカルであるPochang Wu氏は「この新しい(NFT)アイデアを一般の人々に紹介することが一つの大きな課題です」と述べ、メディア露出が助けになっていると付け加えました。
Pochang Wu氏は新しい技術に戸惑う人は多いとは思いますが、ファンは、NFTが何であるかを正確に知る必要はないと言います。
CDやDVD、WiFiのスペルを知らない人がいるように、新しい技術は最初は難しく見えるかもしれません。
ファンたちの結束力
NFTに参加する個人クリエイターが増えるにつれ、ファンのサポートが必要不可欠になってきました。
Terence Leong氏は、人々がとにかくオンラインで見つけることができるMP3をファンに与えるようなものではなく、”ユニークなものを与える “のだと語っています。
OURSONGは、アーティストがチャットグループで購入者と関わることができる機能を開始しました。このようなファンに向けた活動は、サブカルチャーから世界的なメインストリーム現象に発展したK-POPを取り巻くコミュニティで活発に行われています。
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K-POPファンに広まるNFT
NFTがアジアのアート業界を揺るがす中、エンターテイメント業界、特に韓国ではコロナウィルス感染が広がる中でも、オンラインでの活動が盛り上がっています。その中でもNFTに関するコミュニケーションが活発です。
例えば、2PMやTWICEなどのK-POPアーティストを擁する韓国4大エンターテインメント企業の1つであるJYPエンターテインメントは、7月に地元のブロックチェーン企業Dunamuと提携し、K-POP専用のNFTプラットフォームを立ち上げる計画を発表しています。
K-POPを代表するアイドルグループであるBrave Girlsも7月、Upbitと提携し、活動再開に合わせて限定版NFTをリリースしました。
「K-POPのファンはかなり粘り強いので、少し難しい内容でも、すぐに学ぶことができると思います」と、シドニーのマッコーリー大学の講師で、K-POPの革新方法などを研究しているトーマス・ボーディネット氏はForkastのインタビューに答えています。
四川大学ピッツバーグ研究所で韓国のポップカルチャーを教えているAreum Jeong助教授も、K-POPファンは高度にネットワーク化され、組織化されているという同じような見解を示しました。
Areum Jeong氏はインタビューの中で、以下のようなコメントを残しています。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します