飲料大手モンスターエナジー、NFTやメタバース関連の商標登録を申請
モンスターエナジーがメタバースへ進出
エナジードリンクで知られる飲料メーカーのモンスターエナジーがNFTの商標登録に関する申請を行ったことが明らかになった。
米モンスタービバレッジ社を代表する商品ブランド、モンスターエナジーは日本でも商品展開しており、「モンエナ」等の略称で消費者に親しまれている。
米国特許商標庁(USPTO)によると、モンスターエナジーは新たに計4点の商標を申請。これらは全てNFTや仮想空間(メタバース)といった概念に関連した内容とみられる。
商標の一点目は次のような記述となっており、その後更に具体的な商品の種類が続く。
飲料、食品、サプリメント、スポーツ、ゲーミング、ミュージック、アパレルなどの分野におけるダウンロード可能な仮想商品
また、それらの商品は、申請内容によると非代替性トークン(NFT)やブロックチェーン・トークンによって「本物と証明」されるという。そのほか、デジタルウォレット、ハードウェアウォレットなどについても言及がある。
二点目の申請には、「仮想商品、ブロックチェーン・トークン、デジタル・トークン、非代替性トークン、デジタル・メディア・ファイル・資産を取扱う小売店及びオンライン小売りサービス」が含まれており、仮想商品を取扱うマーケットプレイスをカバーしている。
そして、三点目は、それらの仮想商品・資産を取扱うエンターテイメントサービス、四点目はそれらの管理を行うためのデジタルウォレットについての内容とされた。
以上のように、申請はNFTの提供にとどまらず、マーケットプレイスやNFTの利用価値の提供、そしてNFTの管理手段までNFTを取り巻くビジネスを一通り網羅した内容となっている。
広がる仮想空間進出の動き
知的財産を持つ企業などの間では、商標を申請する動きが徐々に活発になっている。2022年に入ってからNFTやメタバースに関連する商標申請を行った企業は主なものでも、マクドナルドやウォルマート、プーマ、クロックス、日本のKADOKAWAなど、様々な分野に及ぶ。
商標の申請が相次ぐ背景には、仮想空間において、ブランドの知名度を利用した第三者による商品の流通を防ぐことも狙いにあると考えられる。
今年1月には、フランスの高級ブランド、エルメスが、同社の代表的なバッグである「バーキン」を基にしたNFTを制作したクリエイターを訴訟。主な理由は商標権の侵害となっているが、メタバーキンの制作者はあくまでアートであると主張している。
国内のNFTプロジェクト「CLONE X」でも二次創作が相次いでいたが、日本人アーティストの村上隆氏のMURAKAMIアートも含まれており、著作権の侵害が発生した可能性が浮上していた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します