国内NFTの関心上昇
ここ数日、日本発のNFT(非代替性トークン)アートへの関心が高まっている。
背景には、メタバース関連会社RTFKT Studiosの共同創設者であるBenoit Pagotto氏によるNFT購入がある。
RTFKTは、メタバース(仮想空間)上のデジタルスニーカーを作成する企業で、村上隆氏とのコラボレーション「CloneX(クローンX)」を展開する。 21年12月には、大手スポーツブランドのナイキ(NIKE)によって買収されたことで知られる。
背景
Benito氏は2月11日、日本のNFTプロジェクトである「Kawaii girl Collage」の作品を購入した。
この購入で注目度が上昇した同コレクションは数日間の内に完売。17日時点で、販売最低価格(フロアプライス)は、0.03ETH(約1万円)から0.56ETH(約20万円)まで上昇している。
OpenSeaで4つのコレクションを運営しています。
— カズシKazushi.ethコラージャー (@kazushi_fujii_) February 16, 2022
すべてのコレクションがSOLD OUTです。
新作も追加しますのでよろしくお願いします。https://t.co/pZWYvJHo0Jhttps://t.co/gfj1aUj0yBhttps://t.co/OFm3XCHu0qhttps://t.co/jTa9YIMKXH pic.twitter.com/kfi2F37gW2
Benito氏は、自身のツイッターアカウントで日本のNFTアーティストの支援を表明。複数の作品を購入した。
私は日本のアーティストが大好きで、彼らがNFTで非常に成功することを願っています ❤️🇯🇵👁🗨
— Benit0 RTFKT 👁🗨 (@benitopagotto) February 13, 2022
[ iPhone translate app 😅 ]
中でも、2月14日に購入した「Kawaii SKULL」は、10,000作品が1日で完売。こちらもフロア価格が0.01ETH(3~4千円)から、執筆時点では0.04ETH(約1.5万円)まで上昇している。
総取引量は最高400ETHに上り、24時間以内の取引ランキングも上昇した。
Wow @kawaiiskull_nft was done all by hand by 1 artist ???? Huge congrats on this big challenge ! The skulls are indeed KAWAII ☺️💀
— Benit0 RTFKT 👁🗨 (@benitopagotto) February 14, 2022
一人の芸術家がすべての頭蓋骨を手作業で行いましたこれは素晴らしい芸術の成果です、私がサポートしてくれてうれしいです、ハードワークは素晴らしい仕事です
その一方、二次創作におけるIP(知的財産権)問題もクローズアップされた。
NFT有識者によれば、Benito氏による買いを見込んだ他アーティストがBenito氏のツイッタープロフィール画像である「CLONE X #4」を二次創作したが、日本人アーティストである村上隆氏のMURAKAMIアートが多く含まれており、意図せず村上氏の著作権を侵害した可能性があるという。
そのため、Benito氏は、この問題に関する明確なガイドラインを作成することを言及。「ファンアートに関する新たな提案を行う」とした。
関連:大企業の関心集める「NFT」の魅力とは|主な特徴と将来性を解説
追記:
18日、Benito氏から新しい情報が発表された。
ファンアートに関しては、問題となった「CLONE X #4」ではなく、新たに「Crow Noun」を対象とした二次創作を作るようにツイッターで呼びかけた。
「Crow Noun」は、Nounsと呼ばれるgenerativeNFTプロジェクトの作品で、カラス(Crow)を題材にして作られたもの。NounsのNFTは全てフルオンチェーンで作られており、作品を活用したDAO(分散型自立組織)の運営を行っている。
24時間毎に1つのNounが生成され、オークションにかけられており、その収益の100%はNouns DAO トレジャリー(保管庫)に送られて、DAOの運営費等に充てられる。
作品の中でも、最初につくられた「Noun 1」は613.37ETH(2億円以上)と高額で取引されており、当時大きな話題を呼んだ。
Benito氏は「これからも日本のNFTアーティストを発掘していきたい」として、日本のNFTアートへの関心を継続している様子。
また、「RTFKTではクリエイティブ・チャレンジとPods(RTFKTが作成する部屋シリーズ)のバーチャル・ホームのコンペを計画している」と呼びかけ、日本のNFTアーティストがRTFKTのクリエイティブ・コミュニティに参加することを期待している模様だ。