トンガ議員、火山熱利用のビットコインマイニングに意欲
火山マイニングにも意欲
トンガ王国の貴族議員は25日、今後の暗号資産(仮想通貨)政策の予定を明らかにした。海外メディアCointelegraphに対して、火山熱を利用したマイニング事業などの展望を語った。
Fusitu’a氏はビットコイン(BTC)に肯定的で、同国におけるビットコインの法定通貨法案を策定している元政治家だ。健康上の都合で昨年11月に議員は引退したものの、議席は従兄弟に渡したため、仮想通貨戦略は引き続き推進していけるという。
これまでもビットコインに対して前向きな姿勢を示しており、エルサルバドルでビットコイン法が提出された際には、トンガでも同様の法案を提出したいと意欲を見せていた。
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また、1月上旬に海底火山が噴火し、インフラが壊滅的な打撃を受けた際には同議員がビットコインを活用した寄付活動を推奨。海底の水中ケーブルが断線して、ライフラインが途絶えた中でも、衛生回線を介することでビットコインネットワークへの接続が可能となり、仮想通貨で現地の住民に海外ユーザーが直接寄付することができていた。
今後の予定
ビットコインをトンガにおいて法定通貨と認める法案は現在策定中だ。Fusitu’a氏によれば、エルサルバドルのビットコイン法を参考にしており、今年5月の議会会期で提出を予定。
26議員中14議員の賛成票が必要となり、今年10月頃の可決を想定している。
議会可決後は3~4週間かけて国王の署名を待つ。法案の署名後は政府の官報で発令された後に初めて施行する動きとなる。そのため、Fusitu’a氏は23年2月頃にビットコインの法定通貨化が施行化すると推測した。
- 法案を議会に提出→可決(早くて22年10月)
- 国王の裁可待ち(3~4週間)
- 国王が法案に署名(23年1月上旬頃)
- 2~3週間以内に政府が施行日を発表。(23年2月頃を想定)
地熱マイニングにも意欲
また、同氏は火山熱を利用した仮想通貨のボルケーノ・マイニングも計画している。
南太平洋に位置するトンガ王国は人口約10万人の島嶼国。面積は東京都の約3分の1であるものの、170もの島々から構成されており、21の火山を有する。
これらの火山は合計で年間2000MWの電力を生産する容量を持つものの、トンガの年間消費電力量は40MWに満たないため、およそ1960MWの電力をビットコインのマイニングに利用できるとFusitu’a氏は展望する。
ビットコインの採掘を行うインフラを整備するためには、推定2,600万ドル(30億円)の施工費が必要となるが、一世帯ずつにマイニング機器を備えたコンテナを政府が支給する「ハッシュハット」構想も練っている。
仮想通貨マイニングの国家レベルでの運営について、Fusitu’a氏は23年秋頃に可能になると予想。政府関係者からの指示も得ていると語り、肯定的な見方を示した。
火山熱を利用した地熱発電によるビットコインマイニングはエルサルバドルでも導入が進んでいる計画だ。中南米国家のエルサルバドルも20以上の火山を抱えており、地熱発電の利用率は世界でも上位5位にランクインしている。
試験段階であるものの、21年10月にはエルサルバドルの「ボルケーノード」は初のビットコイン採掘を報告。余剰電力を消費できない状況が発生していたため、省エネのために余ったエネルギーでマイニングを行う格好だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します