メタバース・ファッションブランド「Space Runners」、10億円以上を資金調達
NFT・メタバース事業拡大へ
NFT(非代替性トークン)・メタバース(仮想空間)に特化したファッションブランドSpace Runnersは8日、1000万ドル(約11億円)の資金調達に成功したことを発表。「エンドツーエンドのファッションエコシステムを構築する」とした。
今回の資金調達ラウンドでは、PolychainやPantera Capitalなどの大手VCファンドに加えて、Animoca Brands会長を始めとするエンジェル投資家が参加した。
Space Runnersの共同創業者であるWon Soh氏は、今回確保した資金によって「ブロックチェーン上に初のエンドツーエンドのファッションエコシステムを構築する」ことを目標として掲げており、同社は以下の「2つのビジネスラインを拡大する」と説明する。
- ファッション・アイテム
- ファッション・メタバース
ファッション・アイテムでは、「メタバースファッションブランドを拡大し、さまざまなメタバースやゲームに、相互運用可能なファッションアイテムを提供する最大のサプライヤー」を目指すとした。
また、ファッション・メタバースでは、「W2E(Wear2Earn)エコノミーを構築し、メタバースでファッションを楽しむためのインセンティブと報酬を提供する」ことで、ファッションのゲーム化に挑戦するとした。
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Space Runners
Space Runnersはソラナ(SOL)基盤のNFT・メタバース事業を手掛ける大手ファッションブランド。提供するファッションアイテムは、さまざまなメタバースやゲームにプラグイン(拡張)可能なNFTとなっている。
21年12月には、元NBAチャンピオンのKyle Kuzma氏とNick Young氏を起用して「NBAチャンピオンズスニーカーコレクション」を発売し、発行したNFTのうち全て(計1万個)が9分の間に完売した。
NFTの所有者は、それらを装着してメタバースやゲームに参加できるだけでなく、毎週NBAの試合のコートサイドチケットが当選したり、Solana APIサービスに無制限にアクセスできるといった特典がある。
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ファッションブランドの動向
2022年も引き続きNFTやメタバースといった領域には、個人だけでなく企業からの大きな関心が集まっている。中でも、親和性が高いとされるファッション業界では、多くの企業が動きを見せている。
1月には、国内のストリートファッションブランド「A BATHING BAPE(アベイシングエイプ)」が、メタバースコミュニティの「Bapetaverse」とNFTシリーズのリリースを発表し、NFT・メタバース領域への参入を発表した。
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2月には、米大手暗号資産(仮想通貨)取引所のFTXが、高級ファッションブランドとの提携戦略を強化するべく、戦略部門の責任者としてLauren Remington Platt氏を就任。高級ブランドとのコネクションを有する同氏を評価し、「彼女のファッション・高級ブランド業界における経験はブランディングのさらなる成長において必要不可欠」としている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します