EUの仮想通貨規制法案「MiCA」、次の段階へ
PoW禁止条項は非承認のまま、3者協議へ
欧州連合(EU)経済通貨委員会のStefan Berger氏は25日、EUにおける暗号資産(仮想通貨)の規制枠組みを制定する法案「MiCA」が、次の段階に進むと述べた。PoW禁止条項を非承認としたことについて、反対派から異議は上がらなかった形だ。
経緯
当初、同法案には、「環境的に持続不可能なコンセンサスメカニズム」を基盤とする仮想通貨サービスの提供を禁止する条項が盛り込まれており、PoW(プルーフオブワーク)銘柄を禁止することにつながると懸念されていた。
この条項は14日に行われた、EU議会の経済開発委員会における投票で、32の反対票と23賛成票で非承認されている。しかし、Berger氏は24日の段階で、まだ反対派が異議を唱える可能性は残されていると警戒していた。
法案は、次のステップとしてEU議会、委員会、評議会の3者協議にかけられる予定であるが、Berger氏は、「欧州議会議員の10分の1が賛成すれば、この協議に異議を申し立てることができる」と指摘していた格好だ。
今回、Berger氏は、期限までに異議は唱えられなかったため、MiCAは正式に次の段階に進むことができると報告した。
Berger氏は、次のようにツイートしている。
グッドニュース!異議は唱えられなかった。これからは、「#PoW禁止令は出さない」という立場で3者協議に臨みたいと思う。
報告書では、MiCAと「持続的な金融のためのEUタクソノミー」を連携させることを提案した。私は、この提案が委員会および評議会で承認されるだろうと楽観視している。
「EUタクソノミー」は、EUが定めた環境に配慮した経済活動を認定する基準だ。2025年1月までに、仮想通貨マイニングから生じる二酸化炭素を削減する内容が含まれている。
マネロン防止関連の決議も開催予定
コインデスクの報道によると、欧州議会は、仮想通貨関連の議決を、来週にも行う可能性が高い。
この議決では、自己管理型デジタルウォレットへの仮想通貨送金について、少額のものについてもマネーロンダリング防止規則による監視対象とする意向であるという。
また、仮想通貨サービス事業者に対して、マネロンや犯罪のリスクが高い送金の実行や仲介を控えるよう指示することも示唆されている。仮にこの指示が承認されれば、タックスヘイブンとみなされる地域や、トルコ、ロシアなどへの送金が難しくなる可能性もあるとみられている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します