豪警察、仮想通貨ATMや総額4億円の現金など押収 米当局とも連携
豪当局、仮想通貨ATMなど押収
豪ニューサウスウェールズ警察部隊は10日、麻薬やマネーロンダリング(資金洗浄)に関する捜査の一環で、暗号資産(仮想通貨)ATMを押収したと発表した。
3名の容疑者から5キログラムの麻薬、そして総額4億円(470万AUD)相当の現金などとともに3台の仮想通貨ATMを押収した格好だ。
捜査は、米国の国土安全保障省の協力を得ながら、オーストラリア犯罪情報委員会(ACIC)職員と、サウスウェールズ州犯罪担当司令部の刑事が、今月から開始。シドニー地域全域で、マネーロンダリングの捜査を行っていた。
捜査の経緯
今回の捜査では、シドニーで34歳、39歳、45歳の男性3名が警察に逮捕された。
警察は、不法に輸入されたと思われる違法薬物や、現金、携帯電話、ノートパソコン、USBストレージデバイス、また仮想通貨ATMなどを押収。押収物品については、これからさらに調査が行われる。
3人の容疑者は、犯罪収益や違法薬物に関する取引や、マネーロンダリングなどに関する犯罪で起訴された。仮想通貨ATMの所有者は、犯罪収益と禁止薬物取引により訴えられたため、ATMは犯罪収益のマネロンに使用されていた可能性がありそうだ。
各省庁や国際機関と連携
今回の捜査は、「ストライク・フォース・マクティア」と呼ばれる省庁間作戦の一環として行われた。
州犯罪司令部のロバート・クリッチロー刑事は、今回の逮捕は、州内で組織犯罪を阻止する上で、多機関が連携することの有効性を示すものだとしている。また、特にオーストラリア犯罪情報委員会(ACIC)との連携は強力で、州内での新たな犯罪に迅速かつ効率的に対応していくことができるという。
ACICは、オーストラリアでの重大犯罪に対して、全国で統一的な作戦を提供しており、各機関に指示を与えている。ACICの優先的な捜査事項の中には、サイバー犯罪や金融犯罪も含まれる。
ACICの情報業務担当責任者、ロバート・ジャクソン氏は、今後もパートナー機関と協力していくとして、次のように述べた。
ACICは、独自の力を駆使しながら、パートナー機関と協力し、オーストラリアで組織犯罪を抑止するために、インテリジェンス(情報)面での洞察などを提供している。
これからも、ニューサウスウェールズ州警察をはじめ、国内外のパートナーと協力し、さらなる作戦を成功させていきたい。
資金洗浄について国際的に当局が協力したもの。こうした国際的捜査は過去にもいくつか事例があり21年秋には、米FBIや欧州刑事警察機構などが、150人以上の麻薬密売人から5.6億円相当の仮想通貨を押収していた。
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各国の当局は、新技術である仮想通貨やブロックチェーンに対する捜査能力を強化しているところであり、省庁間や、国際的な当局間の連携も模索している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します