DEXのオンチェーン取引量、CEXを上回る=チェイナリシスレポート

DeFiでの取引量が躍進

ブロックチェーン分析企業チェイナリシスは6日、DeFi(分散型金融)と、中央集権型プラットフォームの取引活動についてレポートを発表。2021年4月から2022年4月にかけて、DEX(分散型取引所)でのオンチェーン取引量が、コインベースやバイナンスなどを始めとする中央集権型の仮想通貨取引所を初めて上回ったと報告した。

DEX(分散型取引所)とは

ブロックチェーン上に構築される非中央集権型取引所。「分散型取引所」の英訳である「Decentralized EXchange」から「DEX」とも呼ばれる。中央管理者を介さずに当事者間で直接取引を行うため、管理者に支払う手数料が不要で、その他に流動性が低い、秘密鍵をユーザーが管理するなどの特徴がある。

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レポートによると、分散型取引所での取引量が、初めてオンチェーン取引量の50%を超え、中央集権型取引所(CEX)のサポート量(オンチェーン入出金)を上回ったのは、2020年9月のことだった。

出典:チェイナリシス

その後、分散型取引所の優位性は2021年6月にピークに達し、オンチェーン取引量の80%以上を占めるまでになった。現在は、分散型取引所が55%、中央集権型取引所が45%になっている。

2021年4月から2022年4月にかけて、中央集権型取引所へのオンチェーン送金は約23兆円(1,750億ドル)で、分散型取引所への送金は約30兆円(2,240億ドル)と、それを大きく上回っていた。

取引量が上位に集中

チェイナリシスは、分散型取引所の上位5社へは、中央集権型取引所上位5社と比較して、取引量がはるかに集中していたことも指摘している。

出典:チェイナリシス

取引集中の理由について、チェイナリシスは、分散型取引所は最近台頭してきたものであるため、少数の取引所が地盤を固め、アクティブなユーザーベースを維持することができたと分析した。

また、他の理由としては規模の経済性も考えられるという。規模が大きく、多くの流動性を保有する分散型取引所は、より安定した価格設定を行うことができる可能性があり、これがユーザーにとって魅力になるとする格好だ。

レポートによると、分散型取引所と中央集権型取引所のユーザーの違いについては、預けられているユーザー資金がどこから送られてきたものかという点にあった。

分散型取引所のユーザー資金のうち、中央集権型取引所の口座から送られて来たのは7%だったが、中央集権型取引所のユーザー資金が別の中央集権型取引所から来た割合は16%だった。

チェイナリシスは、この背景について、分散型取引所ユーザーが、第三者によるカストディよりもセルフカストディのウォレットを好むことの反映かもしれないと推測している。

セルフカストディ型のウォレットとは

取引所などではなく、自分で秘密鍵を管理して資産を保有するために使用するウォレットのこと。「自己ホスト型」や「自己管理型」などと呼ばれることもある。

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分散型取引所を左右する要素

チェイナリシスは、分散型取引所がオンチェーン取引量をリードしていけるかは、以下のような事項に左右されると論じている。

  • 中央集権型取引所よりも、低い手数料と公正な価格設定を提供できるかどうか。
  • 規制当局の監視が強化されるかどうか。
  • 自動化、仲介事業者の削減、セルフカストディなどについて多くの人の賛同を得られるかどうか。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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