チェーンリンクがソラナをサポート
分散型オラクルネットワークのチェーンリンク(LINK)は3日、暗号資産(仮想通貨)ソラナ(SOL)のブロックチェーンで価格フィードを提供することを発表した。EVM(イーサリアム仮想マシン)と互換性のないブロックチェーンがサポートされたのは、ソラナが初めて。
チェーンリンクはソラナの開発者にとって、ブロックチェーン領域で最も広く使用されている価格フィードを使用できるようになった。「ソラナの高速ブロックチェーンは、高頻度の価格データをdAppsに配信できるため、開発者は新しいプロダクトを構築できる」と、ソラナのAnatoly Yakovenko共同創業者は述べている。
ソラナ・エコシステムのプロジェクトでは、金利アグリゲーターFrancium、Tulip、ローン市場Apricot Financeといったプロトコルが最初にチェーンリンクの価格フィードを使用する。
チェーンリンクの価格フィード(BTC/USD、ETH/USD、USDC/USDなど)はDeFi(分散型金融)市場の実質的な業界標準となっている。多くのブロックチェーンとレイヤー2ネットワーク上で、ローン市場(Aave、Compound)やデリバティブ市場(dYdX、Synthetixn)を含む数百種類のDeFiアプリケーションに使用され、チェーンリンクの価格フィードを使用するアプリケーションのTVLの総額は約500兆円(373兆ドル)に上る(執筆時点)。
EVMとは
スマートコントラクトを実行するための「翻訳機」として機能する。ブロック生成の度にトランザクションやスマートコントラクトを実行してネットワークの状態を計算する役割を担う。
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価格フィード以外の機能
今後数か月以内に、価格フィード以外のオラクル・サービスもソラナで利用可能になる。
チェーンリンクのオラクルネットワークは、ブロックチェーン外部のAPI(ソフトウェアやプログラム、Webサービス間をつなぐインターフェース)に接続し、安全なオフチェーンデータを提供する。
例えば、「VRF(検証可能なランダム関数) 」はプロスポーツ選手のゲームスコアに応じて変化する「ダイナミック(動的)NFT」を発行でき、現在はイーサリアム上でNBA(全米プロバスケットボール協会)等のNFTコレクションで実用化されている。
さらにチェーンリンクは、年末までにデータやトークンのクロスチェーン利用のグローバル標準「Cross-Chain Interoperability Protocol(CCIP)」のリリースを計画している。CCIPにより、様々なブロックチェーン間でトークンを移動し、スマートコントラクトを実行できるようになり、クロスチェーンアプリケーションの可能性が広がる。
執筆時点、チェーンリンクはイーサリアム(ETH)やBNBチェーン、アバランチ(AVAX)を含む12種類のネットワークをサポートしている。
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