リップル社、技術開発の主要拠点としてカナダに新オフィス開設へ 雇用継続姿勢示す
カナダに新たなエンジニアリング拠点
リップル社は22日、カナダに初めてオフィスを開設することを発表した。重要なエンジニアリング拠点として機能し、北米などの地域で事業の継続的な成長を支えていくことになるという。
まずトロントで50名のエンジニアを採用予定であり、将来的には機械学習専門家、データサイエンティスト、プロダクトマネージャーその他、数百名のブロックチェーンソフトウェアエンジニアを雇うことも念頭に置いている。
リップル社のBrad Garlinghouse CEOは、「ブロックチェーンや仮想通貨の技術は将来のグローバルな金融システムを支えていくことが予想され、大半の金融機関が、そうした技術を活用するための戦略を打ち出しているところだ」と述べた。
また「仮想通貨業界は、最も刺激的な業界の1つ」で人材を引き付けており、リップル社は「世界的なプレゼンスを拡大し、事業規模の拡大と投資を継続している」と続けている。
リップル社のエンジニアリング責任者Devraj Varadhan氏は、地元の豊富な人材を活用していきたいとして、次のようにコメントした。
私たちは、豊富な技術的人材を擁するトロントの環境を活用し、まだ満たされていない顧客ニーズに対処するための開発者を増やしていく。
カナダにおける当社のチームは、ブロックチェーンプロトコル開発や分散型アプリケーション、機械学習や決済ソリューションまで、リップルの技術革新を推進する上で重要な役割を果たすだろう。
地元の大学とも提携
公式発表によると、リップル社は、大学ブロックチェーン研究イニシアチブ(UBRI)を通じて、すでにトロントのコミュニティと強い結びつきをもっているという。
ウォータールー大学やトロント・メトロポリタン大学などと協力し、リップル社とUBRIは、ブロックチェーンや仮想通貨技術の重要な分野における最先端の研究を支援している。
また、地元の学生には、こうした技術に関して高度な能力を身につける機会を提供。学生はトレーニングを受けて関連業界で働く準備ができる。
弱気相場でも規模拡大の方針
市場停滞期を迎え、仮想通貨業界では人件費削減に動く企業も増えている。コインベース、BlockFi、Crypto.comなども人員削減を発表したところだ。
一方で、バイナンスやFTX、Bitfinexやテザー社などは雇用を継続していく姿勢だ。今回リップル社も、弱気相場でも人員を拡大していく方針を示した。公式発表で、同社は次のように述べている。
業界の他の企業がレイオフや採用凍結を発表する中、リップル社の重要な優先事項は、今後何年にもわたって私たちのイノベーションと顧客への貢献に役割を果たす世界レベルの才能を獲得することだ。
昨年だけでも、リップル社はマイアミやダブリンを含む主要都市に新しいオフィスを開設しており、2022年には世界中で数百人を雇用する計画である。
リップル社はメタバース事業にも乗り出している。同社は17日、メタバース関連プロジェクト「FLUFWorld」と提携して、NFT(非代替性トークン)を鋳造・売買できるオープンなメタバースを構築すると発表した。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します