仮想通貨取引所の88%が、市場の暴落を脅威に感じ「規制」を渇望している

大半の取引所は規制を望む
リトアニアの決済企業が、世界24箇所にある、1億ドル/日以上の取引量のある仮想通貨取引所に聞き取り調査を実施。大半の取引所が、仮想通貨市場の健全な発展のため、「規制」を望んでいることが判明した。

Mistertango社による調査

リトアニア共和国の決済企業であるMistertangoは、ヨーロッパ、アジア、南アメリカ、オーストラリアの24箇所にある、1億ドル(約110億円)以上の日間取引量を誇る仮想通貨取引所に、仮想通貨業界の現状に対する聞き込み調査を行いました。

この調査の目的は、仮想通貨取引所が同業界の規制について、どのような考えを持っているかを目的として執り行われ、以下のような結果が明らかになっています。

  • 仮想通貨取引所の30%は、最大の脅威は、市場の暴落であると考えている
  • 仮想通貨取引所の88%は、適切な規制を求めている
  • 仮想通貨取引所の17%は、過度な規制は望ましくなく、仮想通貨業界の将来に大きな影を落とす考えている
  • 仮想通貨取引所の40%は、銀行が仮想通貨市場に対して寛容になれば、メインストリームへのさらなる進出が見込まれると考えている
  • 仮想通貨取引所の55%は、既存の金融業界同様、仮想通貨ユーザーも本人確認(KYC)やアンチ資金洗浄(AML)の確認をされるべきだと考えている

この結果を受け、Mistertango社のビジネスマネージャーを務めるGabrielius Bilkštys氏は、以下のように言及しました。

この業界は、適切な規制を渇望していることが、聞き取り調査によって明らかになった。市場にとって、不透明性は大きな脅威だ。私たちが求める安定性の実現には規制が不可欠である。

しかし、残念なことに現時点では”世界基準の規制”というものはまだ存在していない。法定通貨が持つ規模や偏在性において、仮想通貨がさらなる発展を遂げるためには、より包括的な規制が必要不可欠だ。

したがって、規制は仮想通貨市場の発展を阻害するものではなく、促進していくものである。

さらに、仮想通貨取引所CEX.IOのCEOを務めるOleksandr Lutskevych氏も、以下のように述べています。

これまでの仮想通貨業界は、規制に関して反対の意向を示していた節がある。

仮想通貨の関連企業は、規制された環境を好まないと考えられてきたが、その予想は実態と乖離していたことになる。

業界は、「適切な規制」が市場の成熟に繋がり、仮想通貨の不正利用に関与していないことを証明する優れた手段となることを知っている。

仮想通貨業界の不透明性

実際、現状の仮想通貨業界には、規制機関の不透明性によって、多くの不安や期待が入り混じっている状況だと言えるでしょう。

今年6月には、SECのJay Clayton委員長がビットコインを「証券でない」と定義し、その後もSECの企業金融部門のディレクターを務めるWilliam Hinman氏も、イーサリアムが証券として定義されないことを言及しています。

しかし、その他の仮想通貨に関しては、未だどのような方向性で取り扱っていくのか明確にしておらず、市場の不安が募っています。

そして、先日7月27日にSECは、ウィンクルボス兄弟が申請していたビットコインETFを取り下げましたが、7月24日にはDirexion Investments投資会社からのETF申請の判断期限を延長すると発表しています。

このように、SECを始めとする多くの規制機関が仮想通貨業界に対し、不明確な立ち位置にいるとされており、今後仮想通貨業界がさらなる発展を遂げて行くためには、今回の調査が明らかにしたように、不透明性の払拭に向けた、一貫した規制が必要となっていると言えるでしょう。

CoinPostの関連記事

副会長に選任された、bitFlyer代表取締役の加納裕三氏は、日本が”仮想通貨先進国”と呼ばれていることを挙げ、業界一丸となって取り組んでいくと抱負を述べました。また、質疑応答では、レバレッジ取引や取り扱い通貨の今後についても触れられていました。
23日、G20会議が閉幕。FATFに対し、10月までに仮想通貨のアンチマネーロンダリング(AML)に関する国際規制の明確化を求めたほか、財務省サイトにて、「仮想通貨の基礎となる(ブロックチェーン)技術などが、金融システム及び、より広く経済に重要な便益をもたらし得る」との文面が確認された。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

コメントしてBTCを貰おう 新着ニュースをチェック

速報

新着記事

人気記事ランキング