メタバースゲームDecentraland、一部ウェブサイトのアクティブユーザー数について誤りを指摘
Decentralandの利用者数
メタバースプラットフォーム「Decentraland」は8日、同ゲームのアクティブユーザー数について、誤った情報が報告されていることがあると指摘した。
「一部のウェブサイトでは、Decentralandの、特定のスマートコントラクトにおける取引だけを追跡してそれをデイリーアクティブユーザーとして報告しているが、これは不正確だ」と述べた形だ。
Decentralandが把握している22年9月の取引データには、以下のようなものがある。
- 1,074人のユーザーがスマートコントラクトと対話
- 1,732件のエモート(アバターの動作)が作成された
- 6,315個のウェアラブル(アバターの衣料品)NFTが販売された
- 300人のクリエイターがロイヤリティを受け取った
- 161人がコミュニティイベントを作成した
- 148件の提案がDecentraland DAOで提出された
Decentraland公式アカウントは、より正確なデータを把握するためのサイトとして、DecentralandのDAO(自律分散型組織)から支援を受けた「DCL Metrics」を紹介している。このDCL Metricsによれば、過去30日のユニークビジター数は7,698人だ。
一方で、例えばDappRadarでDecentralandの過去30日間のデータを参照すると、ユーザー数は514人、スマートコントラクト上の取引数は1,555件になっている。Decentraland側のデータよりも少ない数字になっている格好だ。
DappRadarは、アクティブユーザーをあるウォレットとDecentralandのスマートコントラクトの取引と定義している。例えば、ユーティリティトークンMANAでのNFT購入などを行えば、アクティブユーザーとみなされる。
つまり、プラットフォームにログインしたり、仮想イベントに立ち寄っただけのユーザーは含まれていない。
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メタバースとは
インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使い、様々な楽しみ方ができる。例えば、『The Sandbox』というゲーム内のメタバースでは、ボクセルアート制作ツールやゲーム制作ツールが提供されており、ユーザーはそのなかで自作のゲームや施設を作ることができる。
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ただ一方で、ここ数か月ユーザー数が低下している傾向自体は否めない。Decentralandのクリエイティブ・ディレクターであるSam Hamilton氏は、今年3月にDecentralandユーザーの数がピークを迎えたものの、それ以降はビジターの数が減少していると話している。
DCL Metricsのデータを見ても、8月までは1日のユニークビジターが9,000人を超える日が大半だったが、9月以降は9,000人を切る日が多い。メタバースへの事業投資は相応に活発であるが、安定したユーザー数の維持にはまだ課題もありそうだ。
メタバースへの参画事例
最近の事例では、人気ゲーム「フォートナイト」などを運営するEpic Gamesなどが、メタバース関連のインフラを手掛けるHadeanの約43億円のシリーズAラウンドに出資している。
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日本企業としては株式会社三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)が9月、メタバースに関する調査・研究を行う実証実験場「virtual hoops link」を開設した。
株式会社オーバースは、アイドルとメタバースの融合を目指すプロジェクトを立ち上げており、総合プロデューサーとしてAKB48や乃木坂46などを手掛けたことで知られる秋元康氏が就任している。
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