米議員、FTX破綻受けて複数の仮想通貨取引所に書簡

消費者保護について回答求める

米国のRon Wyden上院議員は28日、6つの大手暗号資産(仮想通貨)取引所に対して書簡を提出した。FTXの破綻を受けて、消費者保護についてどのような対策が施されているかを質問する内容である。

Wyden氏は上院財政委員会の委員長を務める民主党議員だ。書簡の宛先は、米国のバイナンス、コインベース、ビットフィネックス、ジェミナイ、クラーケン、クーコインの各取引所である。

Wyden氏は、銀行や証券会社に資金を預ける場合は、連邦預金保険公社などの預金保護制度によって守られるが、仮想通貨の場合は、そうした保護がないと指摘。次のように述べた。

議会は仮想通貨に必要な規制を検討しているところだが、私としては、消費者保護が必要だということに焦点を当てたい。仮想通貨セクターの顧客にも、銀行などの顧客のために存在してきたような保証が求められている。

FTXの破綻前にこうした保護が行われていれば、現在、金銭的な被害に直面している個人投資家は、はるかに少なかっただろう。

主な質問項目

Wyden氏は、6つの取引所に対して、12月12日までに、消費者保護に関する質問に答えるよう求めている。主な質問項目は以下のようなものだ。

  • 顧客資産を企業の資産から分離しているか
  • 顧客に開示されていない何らかの目的のため顧客資金を使用しているか
  • 市場操作などを防止するための方針や手順を有しているか
  • 負債対資産および負債対資本の比率
  • 準備金を保有し、それを保護している方法
  • 外部監査人による財務諸表の監査を受けたことがあるか。ある場合、監査組織の名称
  • 取引所の倒産、盗難、ハッキングなど、顧客資産に対するリスクが発生した場合に、取引所の顧客を守る保険に加入しているか

この他に、取引所の資産と負債がすべて記載された、直近のバランスシートを提出することも要請した。

今月に破産申請したFTXについては、顧客資産の流用が問題視されている。また、財務記録が適切に管理されていなかったことも指摘されているところだ。Wyden氏の質問は、こうした問題を踏まえたものになっている。

FTXとは

サム氏が率いていた仮想通貨取引所。2019年の創設後、急速に頭角を表し、業界最大手バイナンスに次ぐ大手取引所へと成長していた。その後に経営破綻し、今月に破産申請を行なっている。

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取引所の資産開示

FTX破綻後の改善策として、仮想通貨業界では、取引所の資産準備状況を公開し、透明性を高めようとする気運が高まっているところだ。

バイナンス、コインベース、ビットメックス、クラーケンなどの取引所が相次いで、資産証明についての対応方針を発表した。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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