CoinPostで今最も読まれています

バイナンス、資産証明はビットコインから開始

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

透明性と信頼性の向上へ

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは25日、資産証明(PoR:Proof of Reserves)システムをリリースする計画を新たに発表した。

まずはビットコイン(BTC)の保有証明から始め、その後にイーサリアム(ETH)やBNBなど他の銘柄を追加。FTXの破綻で中央集権型取引所への信頼が揺らぐ中、ユーザーの全資産をカバーできるだけの資金があることを検証可能な方法で証明しようとしている。

FTXとは

「SBF」の通称で知られるサム・バンクマン=フリード氏が率いていた仮想通貨取引所。2019年の創設後、急速に頭角を表し、業界最大手バイナンスに次ぐ大手取引所へと成長していた。現在は破綻し、今月に米連邦破産法11条(チャプターイレブン)にもとづいた破産申請を行っている。

▶️仮想通貨用語集

関連仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ

ビットコインについては最初、日本時間の23日8時59分時点の保有状況を確認。今後2週間で次の確認を行い、この間に新しい銘柄も追加するとしている。ビットコインについては、ユーザー資産の正味残高を上回る資金を有しており、ビットコインに対する資金の保有割合は101%だとした。

公式ウェブサイトでは、ログインすることでビットコインのPoRのページをユーザーが閲覧できるようになっている。今後は、PoRの結果を第三者に監査してもらうことも計画。ユーザーのプライバシーを高めるために、「ZK-SNARK」という暗号化技術も実装するという。

バイナンスは、FTXの財政難が明らかになったことを受け、取引所の資産証明の必要性を訴えている。バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOは9日、透明性のために近く準備金の証明に取り掛かると説明していた。

関連バイナンス、FTX買収を検討へ 流動性危機を支援

同社のPoRは、ユーザーのために保有してある資産が対象。バイナンスの企業としての資産は含まれていない。同社のPoRシステムは、データの要約と検証を行う「マークルツリー」の技術を使用。PoRのデータを深く検証したい人に向け、検証方法も説明している。

関連CZ氏「バイナンスは安全に運営されている」

リカバリーイニシアティブの資産

バイナンスはFTXの破綻を受け、業界復興に向けた「リカバリー(事業再生)イニシアティブ(IRI)」を開始。すでに、Jump Crypto、Polygon Ventures、Aptos Labs、Animoca Brandsらが参加を表明している。

参加企業からも合わせて資金を集め、FTXの破綻から打撃を受けた企業を支援するために利用。約1,390億円(10億ドル)が資金として活用される計画だったが、その後CZ氏は20億ドルに増やしたことを明かした。

関連バイナンスの事業再生ファンド、ポリゴンやアニモカなどが参加

バイナンスはIRIのために、すでにステーブルコインBUSDを同社のコールドウォレットから専用アドレスに移動しているが、この資金を巡って「顧客資産が使われているのではないか」との疑念の声が上がった。

疑念の理由は、今回送金元となったアドレスが、10日に同社が透明性と信頼性を高める目的で公開した、バイナンスのウォレットアドレスの一覧に含まれていたため。一方でバイナンスは、公開したアドレスが顧客資産のためのアドレスかなど、明確な情報には言及していなかった。

この内容についてバイナンスの担当者は、CoinPostの提携メディア「The Block」に対し、以下のようにコメントしている。

IRIで使用するために送金された資金はユーザーの資産ではなく、バイナンスの資産だ。

バイナンスは自社の資産と顧客資産を一緒に管理しているかという質問には、回答がなかったが、CZ氏はその後公式ブログで「顧客のすべての仮想通貨を、バイナンスに属する仮想通貨を保持するために使用されるすべてのアカウントとは別に分離されたアカウントで保持している」と改めて強調した。

関連ヴィタリック氏「仮想通貨取引所が信頼を取り戻す方法」

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア