米株下落でビットコイン連れ安、アクシー(AXS)は一時前日比20%
マクロ経済と金融市場
5日の米NY株式市場では、ダウは前週末比482ドル(1.4%)安で取引を終えた。
米11月ISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことで、サービス業および米経済の堅調さを示す一方、金融引き締め懸念が再び強まった。市場が織り込む値以上に政策金利が上昇する可能性が示唆されたこともネガティブだった。
一方、中国のゼロコロナ政策の実施的な規制緩和が、大規模な抗議デモの発生していた同国の景気悪化と政情不安懸念を後退させ、米株指数は時間外取引で上昇する場面もあった。
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.2%安の17,040ドル。
13日は消費者物価指数(CPI)を、14日には米連邦公開市場委員会(FOMC)発表を控えることもあり、様子見基調となりやすいか。
英スタンダードチャータード銀行のグローバル研究責任者であるEric Robertsen氏は、暗号資産(仮想通貨)に懐疑的な立場を示す一人だ。
2023年に、ビットコイン(BTC)が5,000ドルまで下落する可能性があると論じた。米CNBCが報じた。
根拠として、FTXおよびヘッジファンドのアラメダ・リサーチ破綻の影響で、翌年以降も暗号資産(仮想通貨)取引所が流動性不足に陥り、さらなる破綻の連鎖や投資家の信頼崩壊につながるとの見立てだ。
一方、安全資産とされるゴールド(金)価格については、相場の不確実性からの避難先として資金流入が加速した場合、1オンス=2,250ドルまでの上昇する可能性があると主張している。同シナリオには、「株式市場の弱気相場継続と、株式と債券価格の相関関係が再びマイナスに転じる」ことが含まれる。
なお、Glasssnodeのデータによれば、ビットコインの実現利益と損失比率が過去最低を記録した。実現損失は含み損の損切りを示したもので、実現損失は利益の14倍を示した。過去の歴史では、いずれも底値圏を示す水準となる。
アルトコイン相場
アルト市場の個別銘柄では、ライトコイン(LTC)が前日比4.5%高と続伸。前月比では19.2%の逆行高となった。ピアツーピア決済企業MoneyGram Internationalのサポート発表などが材料視された。対応するのはビットコイン、イーサリアム、ライトコインの3種類のみ。
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また、国内上場発表のあったアクシーインフィニティ(AXS)が前日比19.9%高となった。AXS価格は21年11月に過去最高値の171ドルを記録して以来大幅に下落。22年11月には5ドル台まで落ち込んでいた。
アクシーインフィニティは、NFT(非代替性トークン)のモンスターを活用した3on3のカードバトルによって世界中のプレイヤーと対戦可能なブロックチェーンゲーム。生活費が稼げるとしてフィリピンなど発展途上国を中心に人気を博し、20年夏頃に隆盛を極めた。
AXSはアクシーインフィニティ上のゲーム内通貨としての役割のほか、ステーキング、エコシステムの方針を決定するためのガバナンス投票用トークンとしても用いられる。
これまで国内で取り扱いがなかったが、大手取引所であるbitbankへの上場を発表したばかり。7日に取り扱い開始される予定だった。
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預入・引出(対応チェーン)は、イーサリアムネットワーク上のERC20トークンのみ対応となり、Roninネットワークには未対応。
アクシー公式は5日、段階的な分散化促進のための「Axie Contributor Initiative」のキックオフを発表した。
アクシー内のデジタル国家における投資家およびコントリビューター(貢献者)に対するイニシアティブを設計するもので、過去数か月間に渡りフレームワークを構築してきた。今後、コントリビューターによるコミュニティ評議会を設立し、権限を与える見込み。
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