ゴールドマンサックス、仮想通貨企業の買収に意欲=報道
業界低迷も好機見出す
暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破綻を受け、金融大手ゴールドマン・サックスが「数千万ドル(数十億円)規模」の関連企業の買収を検討している可能性があることがわかった。デジタル資産部門の責任者とのインタビュー内容として、ロイターが報じた。
70人以上の規模にまで成長したゴールドマン・サックス「デジタルアセット部門」の責任者を務めるMathew McDermott氏は、FTXの破綻を念頭に「規制を遵守し、信用力の高い銀行などの参入機会が生じている」とコメント。
詳細は明かさなかったものの、複数の仮想通貨関連企業に対するデューデリジェンス(調査)を行なっている最中であると明かした。
その上で、根本的な暗号資産関連技術について以下のような見解を示した。
このような状況は、我々からしてもまたとない好機となり得る。
FTX破綻は間違いなく市場心理(センチメント)を後退させた。FTXは暗号資産エコシステムの多くの領域で模範的な存在とされてきた。このような結果になってしまったが、基盤技術が上げている成果は変わらない。
執筆時点で、ゴールドマン・サックスは11の仮想通貨関連企業に出資している。
また、同社は2021年より機関投資家向けにビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の取引を一部提供しており、FTX破綻後は同社のプラットフォームで取引を望む金融機関が増加したと述べた。
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また弱気相場の長期化を受け、従業員の大量解雇を決断する仮想通貨プラットフォームも相次ぐ中、技術的な専門知識を持つ人材の雇用機会でもあるとポジティブな見方を示している。
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GSとFTXの関係性
詳細は定かではないものの、ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOは22年3月、FTXの元CEOサム・バンクマン=フリード(SBF)氏と面会したことが報じられた。
同会合では、仮想通貨取引のマーケットメイクでの協業の可能性や規制対応、そして将来的なFTXへの資金調達について語った模様だ。FTXは22年1月末に460億円相当のシリーズC資金調達ラウンドを完了したばかりだった。
また、SBF氏は21年7月、フィナンシャルタイムズとのインタビュー にて、米最大手取引所のコインベースやバイナンスなどの競合他社を上回り、世界最大の仮想通貨取引所になった際には「ゴールドマンサックスやCMEを買収するのもありえない話ではない」と豪語した経緯もある。
同氏はFTXの破産申請と共にCEO職を辞任したものの、詳細の説明について今月13日に米議会がFTX騒動に関して行う「公聴会」への出席を求められている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します