イーサリアム、ステーキング引き出し機能の実装は来年3月が目標
次期アップグレード実施へ
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のコア開発者は8日、今年最後のミーティングで、次期アップグレード「Shanghai(上海)」は2023年3月頃に実施できるよう目指すことで合意した。
理想が3月頃とのことで、まだ実施時期が確定したわけではない。Shanghai後は、ステーキングされているイーサリアムが出金できるようになるため、実施時期に注目が集まっている。
Shanghaiでは、イーサリアム開発提案の1つ「EIP-4844」も実装して「Proto-Danksharding」という機能が追加される可能性もあったが、この計画は見送られた。Shanghaiを遅らせてでも出金機能と同時に実装した方が良いとの意見もあったようだが、ステーキングの引き出し機能の追加を優先する。
Proto-Dankshardingとは
イーサリアムのレイヤー2(L2)ネットワークの手数料削減につながる技術。ロールアップ技術を利用するL2の取引手数料を、最大100倍安価にできるとされている。
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ステーキングされたイーサリアムの出金については、先月にテスト用のdevnet(開発者用ネットワーク)をリリース。現在devnetにおける出金はスムーズに行われてはいるが、まだ解決すべき問題が残されているとした。
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今回のコア開発者会議に出席した、イーサリアムコミュニティをサポートする組織「Ethereum Cat Herders」のプロダクトマネージャーは、CoinPostの提携メディア「The Block」に対し、以下のように説明している。
全てが順調に進めば、3月に計画されるShanghaiで出金機能が実装される。
Dune Analyticsのデータによると、現在190億ドル相当のETHがステーキングされている。ETHアンロックと出金についてはエポックごとにエグジットできるバリデータの数が限られるため、一斉に引き出されることは不可能で段階的になるとされている。
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EIP-4844について
今回のミーティングでは、Shanghai後にEIP-4844の実装をメインにしたアップグレードを実施することでも合意。実施時期は2023年の秋を目標にしている。
EIP-4844は、先月のミーティングで実装を進めることで合意。テストなどが順調に進めば、2023年にメインネットに実装される可能性があることが事前に明らかになっていた。
Proto-Dankshardingの機能は、L2とL1のやりとりに、「blob」と呼ばれるデータを含む新しい種類のトランザクションを導入。blobは短期間で削除することができるため、ノードはディスク容量の使用を抑制することが可能になる。
Proto-Dankshardingは、データ可用性を拡張することで手数料削減を実現する技術である。
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