仮想通貨の新規開発者数が過去最高、最も拡大したチェーンは?|年次報告書2022

仮想通貨開発者の急増

暗号資産(仮想通貨)に特化したベンチャーキャピタルElectric Capitalは17日、2022年の開発者レポートを発表。仮想通貨に関するオープンソースコードを初めて作成した新規開発者が61,127人(前年比25.8%増)となり、過去最高を記録した。

出典:Electric Capital(以降全部)

Electric Capitalの年次レポートによると、22年12月時点の仮想通貨関連の月間アクティブ開発者は23,343人(前年比5%増)となり過去最高水準となった。2022年に仮想通貨市場の時価総額はピーク値から71%減少したが、開発者の総数はピーク値の11%減に留まっている。

月間アクティブ開発者数のピークは2022年6月の26,500人であり、テラ(旧LUNA)ショックを期に減少に転じた。2022年上半期に323人確認されたテラ開発者の多くは、コスモス(ATOM)やテラ2.0に移行したが、180人は活動が途絶えている。

個別チェーンの開発者基盤

最も多くの開発者が携わるブロックチェーンはイーサリアム(ETH)であり、1か月あたり10 件以上のコミットに貢献する「フルタイム開発者数」は前年比9%増加して1,873人となった。次いでポルカドット(DOT)が752人、コスモスが511人、ソラナ(SOL)は383人となった。

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特にポルカドットは、イーサリアム(4.5年)より早いペース、わずか3.6年でフルタイム開発者の規模が500人を上回っている。

フルタイムやパートタイム(貢献数、月間10件以下)、ワンタイム(貢献数、月1件)を含む「トータル開発者数」でイーサリアムは5,819人となり、前回上昇サイクルの終わり(2018年1月)と比べて5倍に増加。仮想通貨すべての新規開発者の16%を占めた。

トータル開発者数1,000人以上を抱えるプロジェクトの中では、ソラナ(+83%)、ポリゴン(+40%)、コスモス(25%)、ポルカドット(+2%)がそれぞれ規模を拡大させた。

中でもソラナのトータル開発者数は2,000人を超えており、イーサリアムに次ぐ規模だ。Electric Capitalは、ソラナが22年9月に開催して約18,000人が参加した「ハッカソン」を機に以前の1,400人台から短期間で跳ね上がったことを指摘。主要チェーンの中で最速で規模を拡大していると強調した。

ソラナの共同創設者Raj Gokal氏は、開発者を惹きつけている要因として、MicrosoftやGoogle、Amazonなど主要なIT企業でも利用されているプログラミング言語「Rust」で構築できることを指摘している。

一方、Rustやイーサリアムのスマートコントラクト言語(Solidity)の技術者が数日で習得可能とされる「Move」を採用するSuiやAptosなどのブロックチェーンも前年比で+1000%、+700%と急速に成長しており、それぞれのトータル開発者数は月間100人を超えている。

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DeFi、NFT、EVM

ユースケース別で見ると、DeFi(分散型金融)の月間アクティブ開発者数は3,901人と前年比9%減少したが、2021年9月のDeFiサマー以来240%増加した。このうち50%はイーサリアムで活動している。

過去1年で毎月500人以上の開発者がDeFiスペースに参入しているが、2022年3月のピーク(1100人)から減少傾向にある。

NFT(非代替性トークン)の月間アクティブ開発者数は900人強、前年比と同水準を維持し、2021年1月の232人に対して299%増加している。

Electric Capitalによると、ポリゴン(MATIC)、BNBチェーン(BNB)などのEVM(イーサリアム仮想マシン)互換チェーンや、アービトラム、オプティミズム(OP)などのイーサリアムL2(レイヤー2)では、ネイティブ開発者よりもクロスチェーン開発者の方が多く存在する。

中でも専属開発者数が減少しているチェーンとして、アバランチ(AVAX)は前年比-28%、BNBチェーンは同-23%、セロ(CELO)は同-19%となっている。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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