Suiブロックチェーン、次回のテストネットでステーキング機能を体験可能に

テストネット第2弾を公開予定

ディエム(旧リブラ)の元幹部が設立したMysten Labsは20日、高速L1ブロックチェーン「Sui」のテストネット第2弾の公開に向けて、事前案内を行った。

「Sui Testnet Wave 2」は、今後リリース予定の暗号資産(仮想通貨)SUIのユースケースに関するステーキングの委任機能、期間(エポック)毎のバリデーター管理機能のテストなどを目的としている。

SuiのエコシステムをサポートするSui Foundation(Sui財団)は22年12月に仮想通貨SUIの「トークンアロケーション(割当)計画」を発表したばかり。

関連:Suiブロックチェーン、仮想通貨「SUI」の割当計画を発表

Testnet Wave 2ではトークノミクスとステーキング機能を体験できるゲームが設置され、誰でもプレイ可能になるという。

Mysten Labsはまた、新たなテストネットでSUIのステーキングが自己管理型ウォレットから利用できることを強調。一般的な投資家もバリデーターへの委任(デリゲート)を通して、Suiネットワークのセキュリティに簡単に参加できる方法を確認できると加えた。

ステーキングとは

一定量の暗号資産(仮想通貨)を所定の期間預け入れることで報酬が得られる仕組み。バリデーターはデータの保存、トランザクションの処理を行い、「PoS(プルーフオブステーク)」ブロックチェーンの新しいブロックの追加を担い、トークン報酬を受け取るノード(コンピューター)を指す。

Suiのユーザーはバリデーターへの委任を介してPoSチェーンの合意形成に貢献し、ステーキング報酬の分配を受けることができる。

▶️仮想通貨用語集

22年5月に起動したSuiのdevnetはMysten Labsのバリデーターにより運営されており、現在も存続してdApps(分散型アプリ)の構築とテスト用途で使用されている。

一般ユーザーはSuiやSuietといったSui専用のウォレットからテストネット用SUIトークンを取得し、テストネット版のNFTをミントしたりすることが可能になる。なお、Mysten Labsは以前、「エアドロップの予定はない」と公言しており、テストネットに接続してもギフトは得られないと述べていた。

Suiとは

ディエム(旧リブラ)の元幹部が設立したMysten Labsが主導するSuiブロックチェーンは、メタ(旧フェイスブック)が開発した新プログラミング言語「Move」を採用。1秒あたりのトランザクション処理数(TPS)が12万件に到達するとされる処理能力の高さが特徴。

ソラナ(SOL)やアバランチ(AVAX)の競合と位置付けられるSuiのフルタイム開発者数は22年12月時点に約160人とされ、過去1年間で3,000%の急成長を遂げている。

関連:仮想通貨の新規開発者数が過去最高、最も拡大したチェーンは?|年次報告書2022

Mysten Labsは22年9月、FTX Venturesが主導する430億円(3億ドル)のシリーズBラウンドを完了。関係筋の情報によるとFTXのSuiへの出資額は100万ドルに留まっている。

Mysten Labsは、22年11月にテストネット第一弾「Sui Testnet Wave 1」を公開。第一弾を通して、外部バリデーターグループを誘致し、ネットワーク基盤の安定化を図るべくフルノード運用上のチェックを行っている。

Sui Testnet Waveシリーズはdevnetと異なり、利用期間が限られている。Wave 1は約2~3週間の稼働後に閉鎖されて目標に応じて新たなWaveが設置されている。

関連:Suiブロックチェーン、初のテストネット公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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