
過去最高値を更新
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の市場価格は14日、1BTC=12万4,400ドル(約1,820万円) *に到達し、過去最高値を更新した。 *データ元:コインマーケットキャップ
流通供給量ベースの時価総額は約2.45兆ドル(約358兆円)に達し、貴金属、上場企業、ETF(上場投資信託)など世界の主要資産の中で、米グーグル(約2.448兆ドル)を上回り、5位に浮上した。

データ出典:8marketcap.com(8/14時点) ※注: ビットコインの時価総額は市場価格×供給量で算出され、企業の時価総額(収益等に基づく)とは性質が異なる。
上昇の背景には、米財務長官による利下げ示唆や、米FRBの9月利下げ観測、株式市場の最高値更新など、金融緩和期待が重なったことが挙げられる。
加えて、発行上限2,100万枚という供給制限と、企業・ETF(上場投資信託)・機関投資家による継続的な買い入れ・取引所からの引き出し(流動供給の減少)が価格形成を押し上げている。
ビットコインが評価される3つの特性
- 分散性・検閲耐性:中央管理者を持たず、地政学リスクや資本規制に強い
- 希少性とインフレヘッジ:発行上限が固定され、法定通貨と異なる供給構造
- 独立したリスク・リターン構造:株式・債券と異なる値動きでポートフォリオ分散効果
こうした特性から、国家や企業による戦略的保有(トレジャリー戦略)が世界的に拡大。海外ではマイクロストラテジーやテスラ、日本ではメタプラネットやリミックスポイントが代表例だ。
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今後の見通しと供給減の影響
2009年1月の誕生(創成ブロック)からわずか16年で、世界5位の時価総額に到達。経済学者・成田悠輔氏も昨年末、「東京のタワマンも純金もアップル株も足元にも及ばない成長率」 と、その異例の価値形成スピードに言及した。
米サトシアクションエデュケーションの研究チームは、最新モデルで2036年4月までに1BTC=約481万ドルに到達する確率は75%と試算。この予測は発行上限と流動供給の減少を前提としたもので、仮に実現すれば時価総額は約88.65兆ドルとなり、執筆時点の金(約22兆ドル)を上回る。ただし、価格は市場環境や投資動向によって変動するため注意が必要だ。
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