イーサリアムL2「Optimism」、初のアップグレード「Bedrock」は3月実施を提案
ネットワークをアップグレード
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のL2「Optimism」をサポートする「Optimism Foundation」は2日、ネットワーク初となるプロトコルアップグレード「Bedrock」の実施時期を提案した。
L2とは
「レイヤー2」の意味で、「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引履歴をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながるため、L2の開発が行われている。
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このアップグレードでは、トランザクションコストや同期速度を含めたパフォーマンスや機能を向上。具体的にはイーサリアムの仮想マシン(EVM)の等価性を向上させたり、ネットワークを簡素化したり、モジュール性を高めたりする。投票で承認された場合、そこから2週間後となる3月15日の9時(日本時間16日2時)にBedrockを実施する計画だ。
また、Bedrockは、将来のマルチチェーン対応に向けた重要なステップになるとも説明。共通規格の役割を果たす「OP Stack」を作り、レイヤー2が多く誕生する未来に備え、イーサリアムのエコシステムをリードしていけるようにすると述べている。
エンドユーザーは、アップグレード中に入金機能やトランザクションが一時停止する以外は、影響は受けないと説明。一方、ノードを稼働させるプロジェクトやユーザーは、事前に準備が必要だとした。
アップグレードは4時間以内に終了すると推定。今回はネットワークのリセット(regenesis)は起こらず、アップグレード後も過去のデータに引き続きアクセスできると述べている。
投票終了からBedrockまで2週間あけた理由は、直前で問題が発覚したり、コミュニティへ周知したりするためだと説明。それでも、OptimismのGoerliテストネットではすでにアップグレードに成功しているが、新しい重大なセキュリティリスクが発見された場合は、アップグレードを一度中止する可能性などもあるとした。
Optimismの需要が増加
Optimismは最近、需要が増加している。運用のためにロックされた仮想通貨の総価値「TVL(Total Value Locked)」が増加し、独自トークン「OP」の価格は先月26日に過去最高値を記録。CoinGeckoのデータによると、アップグレード時期提案後の本記事執筆時点の価格は3ドル(約380円)で、前日比14.5%、30日比では212.6%上昇している。
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ブロックチェーンの需要の多さから、ネットワークが混雑することがあるイーサリアムでは、OptimismなどのL2ソリューションの開発が進んでいる。
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Optimismはオプティミスティックロールアップという技術を活用。イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は先月、2023年中にL2スケーリングソリューション「ロールアップ」が、重要なマイルストーンに到達するとの見通しを示した。
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