分散型取引所Uniswap、BNBチェーンで稼働スタート
UniswapがBNBチェーンに
分散型取引所(DEX)大手Uniswap V3(ユニスワップ)は16日、BNBチェーンに拡張したことを発表した。
BNBチェーンは、最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスが運営するパブリックブロックチェーン。ネットワークへの預入資産総額(TVL)が約6,500億円(50億ドル)に上り、イーサリアム(ETH)に次いで市場規模が大きい。
これまでUniswap V3はイーサリアムを中心に、アービトラム、ポリゴン(MATIC)などのレイヤー2ソリューション、及びセロ(CELO)で展開してきた。プロトコルの合計TVLは4,600億円(35億ドル)。分散型取引所として最大手であり、データサイトCoinMarketCapによると日別取引量は3,000億円(23億ドル)でトップ、2位につけるデリバリティブ取引所dydxの2倍弱となっている(執筆時点)
なお、ユーザーベースを示す「ユニークウォレット数」でUniswap V3は約5.3万件(DappRader調べ)、BNBチェーンのトップDEXであるPancakeSwapの約12万件よりも少ない。BNBチェーンへの拡張により、UniswapV3のユーザー基盤の拡大が期待される。Uniswapは公式ツイッターで以下のように表明した。
BNBは現在、Web3で最も安全なDEXを統合した。ポリゴンやアービトラムと同様に、BNBは通常、イーサリアムメインネットよりも高速で安価なトランザクションを提供し、Uniswapをより多くのユーザーにアクセスできるようにする。
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商用利用制限の期限が迫る
21年5月にリリースされたUniswap “v3”は、柔軟な手数料設定や、流動性提供(LP)の価格帯を指定する「集中流動性(Concentrated Liquidity positions)」といった資本効率向上に役立つ機能を搭載。LPポジションを反映するNFTトークンを生成(ミント)する仕組みも実装された。
当時、Uniswap v3のプログラムコードはオープンソースとして公開されたが、SushiSwapなど他プロジェクトによる「ヴァンパイア攻撃(Vampire Attack)」を警戒して、商用利用に追加の使用許諾を必要とする「Business Source License」(BSL)が2年間の制限付きで設置された。
ビジネスライセンス(BLS)の期日が23年4月1日に過ぎると、v3のコピープロダクトが乱立することが予想される。そのため、Uniswapコミュニティでは公式Uniswapのマルチチェーン展開を図り、その皮切りとしてBNBチェーン進出にリソースを振り向けた経緯がある。
Uniswap v3をBNBチェーンに展開する提案は、2月10日に完了したコミュニティ投票で66%の賛成票(5500万UNI)を得て可決した。この投票では、UNIトークンを大量に保有するシリコンバレーの大手ベンチャーキャピタルa16z(アンドリーセンホロウィッツ)が1,500万UNIを使って反対票を投じたことでも注目を集めていた。
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