メイカーダオ、「Endgame Plan」に向けた組織編制の提案が可決 DAO分割へ前進
MakerDAOで改善提案群の可決
DeFi(分散型金融)大手Makerプロトコルを管理する分散型自律組織「MakerDAO」は28日、改善提案群(MIP101~MIP114)がコミュニティ投票で可決したことを発表した。
MakerDAOにおいて、Maker Constitution MIP Set(改善提案101〜114)に対するコミュニティの支持を問う投票が3月13日から14日間行われた。暗号資産(仮想通貨)メイカー(MKR)保有者による賛成票は過半数(約76%)を得て可決した。
14のMaker Improvement Proposals (MIP)は、MakerDAOの創設者が実現したいと考えている将来のビジョン「Endgame Plan」を実現するための基盤となる組織構成や枠組みで構成される。
例えば、MIP101(The Maker Constitution)では、Makerプロトコルの特定領域内の責任とリスクを「サブDAO」と呼ばれる個別ユニットに委任することなどを定義している。
なお、Endgame Plan自体がこの投票によって直接可決したわけではない。今後、3月30日に開催されるガバナンス・アンド・リスク・コールでの確認プロセスを経て、正式に実装される。
Makerプロトコルは、ステーブルコイン「DAI(ダイ)」の発行・管理、レンディングプラットフォーム。MakerDAOはプロトコルの運用方針について、ガバナンストークン(MKR)の投票を通して管理するDAO(分散型自律組織)だ。
ステーブルコイン「ダイ(DAI)」は、米ドルの価値と連動し、1DAI≒1ドルを維持するよう設計されている。DAIの時価総額は54億ドル(約7,000億円)に上り、ステーブルコイン分野で時価総額4位を誇る(執筆時点)。
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Endgame Planとは
「Endgame Plan」は、MakerDAOの創設者Rune Christensen氏が22年5月に打ち出したプロジェクトの大規模な改革案。Makerとして政府からの検閲耐性と個別プロジェクトの推進力を強化するねらいがある。
具体的には、RWA(現実世界資産)の統合や、合成ETH運用など、個別プロジェクトを管理するDAOが独自トークンを発行する。そのため、コミュニティではMKRトークンの価値が希釈されることを懸念する声も少なくない。
Endgame Planに対してコミュニティでは、「不必要に複雑で、多くの問題に対して過度に最適化されすぎ」、「MKR保有者にメリットがない」、「人件費にコストをかけすぎ」などの批判の声も挙がっていた。
米著名VCのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)は、Makerの従来のコアユニットが既に法的に分散化されていると指摘。MetaDAOを導入しても「状況は変わらない、法的観点から組織のレジリエンス向上に役立たない」と指摘していた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します