米政府、合計1,560億円相当のビットコインを23年中に売却予定
ビットコインの売却計画
米政府は、ダークウェブ「シルクロード(Silk Road)」に関連する捜査で押収した暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)について、2023年に4回に分けて合計4万1,490.72BTC(現レートで1,560億円相当)を売却する予定であることがわかった。
「Bloomberg Law」の名義で公開されている3月31日付の裁判書類によると、同月14日には約9,861BTCを売却済。この時は手数料を抜いて、合計で約286億円(2億1,552ドル)の売却益を政府は得ていた。この売却分と今後4回に分けて売却される予定のビットコインは、シルクロードからJames Zhong被告が盗んだものである。
2011年に開設されたシルクロードでは違法薬物の売買などが行われており、当局によって2013年に閉鎖された。ビットコインは売買の決済に使用されており、シルクロード自体からもビットコインは押収されている。Zhong被告は2012年、有線通信不正行為を行って、シルクロードから違法にビットコインを取得していた。
3月の売却については、ブロックチェーンセキュリティ企業PeckShieldが同月8日に、米政府の法執行機関関連のウォレットからビットコインが送金されたことを検知。そのうち、約9,800BTCがコインベースに送られたと伝えている。この巨額送金は当時、市場で警戒されていた。
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当時は司法省最大規模の押収
シルクロードについては、2013年に創設者Ross Ulbricht氏が逮捕。シルクロードの事件は、ビットコインの歴史における重大な出来事の1つである。
Zhong被告が盗難したビットコインの押収を米司法省が初めて発表したのは、2022年11月。実際に押収していたのは2021年の11月である。
この押収は、2022年2月に、Bitfinexから不正流出した9万4,000BTC(当時のレートで4,150億円相当)を押収したと発表するまでは、米司法省最大の仮想通貨押収事例だった。
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