Worldcoin、イーサリアムL2「Optimism」との連携を発表 スーパーチェーン構想を支援
ポリゴンからOptimismへ
暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「Worldcoin」は11日、イーサリアムのL2ネットワーク「Optimism」と提携し、「スーパーチェーン」構想の実現に向けて協力していくと発表した。
Worldcoinは、分散型アイデンティティのネットワーク構築を通して、「すべての人にグローバル経済へのアクセスを提供する」という使命を掲げている。
2020年にChatGPTの開発企業OpenAIの共同創業者・CEOのサム・アルトマン氏と物理学者アレックス・ブラニア氏が設立。目の網膜をスキャンすることによって個人を識別し、仮想通貨Worldcoinを無料配布する仕組みを構築し、注目を集めた。
今回の提携により、プライバシー重視のIDプロトコル「World ID」が、OptimismのOPメインネットで利用できるようになる予定だ。
また、先日一般公開されたばかりのWorldcoin初のデジタルウォレット「World App」も、PolygonからOPメインネットへ移行することになる。
Polygon上に構築されたWorld Appのベータ版は、160万人以上の登録があり、月間アクティブユーザーは50万人を超えているという。World Appの正式版がOPメインネットで展開されることによってユーザーのアクセスが拡大し、エコシステムの発展につながるとWorldcoin側は期待を寄せている。
OptimismはWorldcoinとのパートナーシップを記念して、1週間限定で NFT(非代替性トークン)をリリースすると発表した。関連:全世界への仮想通貨配布を目指す「Worldcoin」がウォレットをリリース
連携の経緯
Worldcoinによると、Optimismとの連携はイーサリアム財団のプライバシー・スケーリング研究チームが始めたオプティミスティック・ロールアップ「Hubble」の作業に遡るという(2020年12月)。単純決済に特化したHubbleを使用して、World Appのベータ版がローンチされたが、多機能を求めるユーザーの要望により、プロジェクトはPolygonに移行された。(当時、OptimismとArbitrumの費用はWorldcoinの規模を考慮すると高価過ぎたため)
その後、イーサリアムの取引手数料低下に寄与する提案「EIP-4844」へ、共同貢献したことで、1年ほど前にWorldcoinとOptimismの協業が再開されたという。
EIP-4844は昨年3月にイーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が、スケーリングソリューションの1つとして提案。次回のイーサリアムのハードフォークで、実装されると予想されている。
Optimismを開発するOP LabsのLiam CEOは、L2の手数料を最大100分の1にすることが可能だと主張。Worldcoinは10分の1に削減可能だと見ている。
レイヤーL2(L2)とは
「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。
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Optimismの「スーパーチェーン」構想
Optimismは「インターネットレベルのスケール」までイーサリアムを拡大するための解決策として、スーパーチェーン(Superchain)の構想を発表している。
Optimismによると、スーパーチェーンは「セキュリティ、通信レイヤー、オープンソースの開発スタック(OP Stack)を共有する、水平方向に拡張可能なチェーンのネットワーク」だという。標準化されたOPチェーンと呼ばれるL2チェーンがその構成要素で、マルチチェーンとは異なる設計となっている。
分散型IDは「民主的なガバナンスとイノベーション」だけでなく、個人が主体性を持って「グローバル経済に参加する」ためにに欠かせないものだとWorldcoinは指摘。WorldIDのOPメインネットへの導入は、最初の一歩に過ぎないが、将来のWeb3のアイデンティティとガバナンス領域の拡大のための土台を築くことになると主張した。
OptimismとWorldcoinは、スーパーチェーンだけでなく多様なアプリケーションで使用可能な、包括的かつオープンなIDの枠組みづくりの構築に共に取り組んでいくという。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します