有料版ChatGPTが「Bing」検索エンジンを統合、最新情報を使用可能に マイクロソフトとOpenAIの連携強化
ChatGPTがBingと連携可能に
米マイクロソフトは18日、AI言語モデル「ChatGPT」のデフォルトの検索エンジンとしてBingが使用可能になることを発表した。
有料版「ChatGPT Plus」の利用者は、同日からプラグインを有効にすることでBing検索を追加できる。ChatGPTの無料サービスのユーザーでも近日中に同様のことが可能になるという。
米OpenAIが開発するChatGPTは、ユーザーの質問に対し、人間との会話感覚で回答できるように設計された対話型のAI(人工知能)。コンテンツ制作、レポート作成、コード設計など用途は多岐に渡るが、プライバシーや著作権の侵害など懸念事項も多い。
これまでChatGPTは、2021年9月までのデータのみで構築され、最新の情報を使用するためにインターネットにアクセスすることが出来なかった。今後は、引用を含む検索データとウェブデータを組み込むことになる。より豊富な情報源からユーザーの質問に答えることが可能になる。
これについてマイクロソフトの消費者マーケティング担当者であるYusuf Mehdi氏は次のように述べている。
ChatGPTには、今後、ウェブからアクセスできるタイムリーで最新の回答を提供する検索エンジンが組み込まれることになる。これにより、ChatGPTの回答は検索データやウェブデータに基づき、引用を含むことが可能になる。ユーザーはチャット内でより多くの情報を得ることができるようになる。
また、マイクロソフトのSatya Nadella CEOは、シアトルで開催されたBuildカンファレンスで、「これは我々がOpenAIのパートナーとともに、Bingの最高の体験をChatGPTにもたらすという計画の一環だ」と述べた。
今後、マイクロソフトはOpenAIと共にAIプラグインエコシステムを拡大し、相互運用性を支持するための共有プラグインプラットフォームを開発することも発表されている。このプラットフォームにより、開発者はBing、ChatGPT、Windows Copilotなど、さまざまなマイクロソフトとOpenAIのプラットフォームにプラグインを作成して、新しい機能やサービスを簡単に構築できるようになる。
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BingのAI戦略
これらの取り組みは、生成型AIのブームを牽引するOpenAIとマイクロソフトの最新の連携となる。マイクロソフトは23年2月、多額の出資を行っているOpenAIのAI技術を、招待制として検索エンジン「Bing」に搭載した。そして、5月4日にはBingチャットボットを一般公開した。
同社によれば、招待制での公開ながら、短期間で大きな反響があり、90日間で5億回以上のチャットが行われたという。さらに、Bingのデイリーアクティブユーザーは1億人を超える勢いで成長し、Bingモバイルアプリのインストール数も4倍に増加。結果的にBingの市場シェアが拡大したという。
マイクロソフトの最高財務責任者であるAmy Hood氏は2月のアナリスト向けの電話会議で、検索広告シェアが1パーセント増えるたびに、追加で20億ドルの収益が得られると述べていた。Statistaがまとめたデータによれば、22年12月のデスクトップ検索市場においてマイクロソフトBingの世界シェアは9%、Googleのシェアは86%となっていた。
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