米議員、SECの再編とゲンスラー委員長の解任を求める法案を提出

真の投資家保護へ

米共和党のウォーレン・デビッドソン議員は12日、米証券取引委員会(SEC)を再編するための法案「SEC Stabilization Act」を提出したことを発表した。

この法案には、SECのゲンスラー委員長を解任することが含まれている。暗号資産(仮想通貨)擁護派として知られるデビッドソン氏は、圧制的な委員長から資本市場を保護しなくてはならないとし、今が真の改革を行う時だと説明した。

SECは先週、大手仮想通貨取引所のバイナンスとコインベースを続けて提訴し、仮想通貨市場に大きな影響を与えている。FTX破綻の影響などでSECはその前から規制の執行措置を加速させており、デビッドソン氏は4月の時点で、今回の法案を提出する意向を示していた。

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デビッドソン氏のツイートによると、この法案では現在5人で構成されるコミッショナーに6人目を追加することを提案。そして、共和党と民主党からの選出をそれぞれ3人までにし、委員長の代わりにトップにエグゼクティブディレクターを置くとしている。また「FOX NEWS」によれば、コミッショナーに権力を再配分することも定めているという。

今回の法案については、同じ共和党に所属し、仮想通貨擁護派として知られるトム・エマー議員が12日に、法案の提出に協力したことを発表。エマー氏は以下のようにコメントした。

米国の投資家と業界は、明確で一貫した監督を受けるべきであり、政治的な駆け引きの影響を受けてはならない。

今回の法案の目的は、無責任な委員長の勝手な行動を防ぎ、投資家保護というSECの優先事項を確実に遂行するために、常識的な変更を行うことだ。

これから実際に法制化するには、民主党の賛成も必要となる。

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SECとは

「Securities and Exchange Commission」の略。株や債券など証券の取引を監督する米政府機関のこと。SECのミッションは「投資家を保護すること」「公正で秩序のある効率的な市場を維持すること」「資本形成を促進すること」である。

▶️仮想通貨用語集

仮想通貨の規制対応

今回の法案はSECを再編するために作られており、仮想通貨に特化した内容ではない。上述した両議員も、今回の発表で明確に仮想通貨に言及はしていない。

一方でエマー氏は、ゲンスラー氏を批判する箇所で、デビッドソン氏の公聴会での発言を撮影した動画を引用。動画では、デビッドソン氏が仮想通貨に言及している。

この4月開催の公聴会でデビッドソン氏は、ゲンスラー氏に対し「あなたの投資家保護の失敗と権力濫用の実績は、SECの再編が必要だということを明確にした」と非難。権力濫用の事例として、以下を列挙した。

  • 月平均2件以上の規制事例提出
  • 不適切なほど短いコメント期間を設定
  • 市場に実行不可能で違法なESG開示規制を課す
  • 仮想通貨業界に「ホテルカリフォルニア」ルールで対処:「いつでもチェックインできるが、決して出られない」
  • 解決策も明確性もないまま、対象事業者に対し終わりのない開示手続きを要求
  • 株式市場構造の全面的見直しに関して実行不可能な提案
  • 提案されたカストディ規則で、仮想通貨を事実上禁止

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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