ブロック社手掛けるライトニング開発キット(LDK)が進化、ノード運用効率化へ
LDK Node公開
ライトニングネットワークの開発者向けキットLightning Dev Kit(LDK)に、新たなソフトウェアライブラリ「LDK Node」が23日に導入された。LDKの開発は、米国の大手決済企業であるブロック社(旧スクエア)の暗号資産(仮想通貨)部門スパイラルが手掛けている。
LDK Nodeはライトニングネットワークのノードの構築と設置を大幅に効率化するよう設計されており、開発者はわずか1日で独自のライトニング・ノードを構築できるようになる。
このLDK Nodeは、LDK(Lightning Development Kit)とBDK(Bitcoin Development Kit)を利用し、Lightningプロトコルをフルに実装するモジュール式のRustライブラリである。このライブラリの目指すところは、あらゆる経験を持つ開発者がLightning Networkをアプリケーションに統合し易くし、ビットコインの取引を促進することだ。
ライトニングネットワークとは
ビットコイン上で展開する主要なセカンドレイヤーのオープンソースプロトコル。ブロックチェーン外で取引を行う「オフチェーン取引」を用いて、従来のBTCトランザクションより低コストで高速な少額決済を可能とする。
▶️仮想通貨用語集
LDK Nodeは、API数が少ない点と簡単なインターフェースを提供する点で従来のLDKライブラリとは一線を画している。さらに、内蔵のオンチェーンウォレットで安全に資金管理ができ、モバイルアプリケーションの開発にも対応している。
今回の発表では、Electrumやbitcoind RPCからチェーンデータを取得し、開発環境と連携できるLSP仕様との統合が予定されていることも明らかになった。これらの機能拡張は、プロトコルの詳細や外部サービスの連携に不慣れな初心者にとって特に重要だ。最新の情報に容易にアクセスして、開発プロセスがスムーズに進むようになる。
ライトニングネットワークのノード数は22年8-9月に倍増して1万5,600となったが、その後は横ばいとなっている。データサイト1MLによると、執筆時点に16,383件である。ライトニングネットワーク上のノードは常にオンラインとなるため攻撃に晒されやすく、チャネルの開設と閉鎖に伴うコストや、ルーティング手数料などのコストが課題とされる。
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ライトニングを支援する企業
ビットコインのトランザクションを革新するライトニングネットワーク。その開発を支え、推進している企業は少なくない。ブロック社(旧スクエア)の暗号資産(仮想通貨)部門スパイラルは2021年12月に、モバイルデバイスや販売端末にライトニングネットワークを簡単に統合できるようにするツール(LDK)を公開した。
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ブロック社のキャッシュアプリでは、ライトニングネットワークを利用してビットコインの支払いを無料で行うことができるようになっている。また、ツイッターは21年9月にStrikeの決済APIを統合し、投げ銭機能にライトニングネットワークを導入した。
そして、ビットコインを最も保有する企業として知られる米マイクロストラテジーは、同社が提供するビジネスインテリジェンスWebアプリにLN技術を統合し、企業活動のあらゆる側面でライトニングネットワークの即時決済・送金機能を簡単に採用できるようにする意向を表明している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します