MakerDAOのステーブルコイン「DAI」、金利引き上げで入金が急増
DAIエコシステムの成長へ
DeFi(分散型金融)大手MakerプロトコルのステーブルコインDAIは、金利が引き上げられたことで預け入れが急増している。
「Dai Savings Rate(DSR)」の仕組みによってDAIをロックすることで獲得できる金利を一時的に3.19%から最大8%に増やす提案がコミュニティ投票で承認され、7日から適用を開始。「Makerburn.com」のデータによれば、6日時点でDSR対象の数量は3.3億DAI超だったが、本記事執筆では6.8億DAI以上まで増え、2倍超に増加している。
上記データによると、ロックされているDAIの割合は全供給量の14.2%で、金利は8%。「MakerDAO」の共同創設者であるルーン・クリステンセン氏は7日、新たな金利の適用が開始されたことを報告した際、DSRを活用するユーザーが多くないため、金利が非常に高くなっていると説明した。
金利を引き上げることによってユーザーが増加することが期待されており、今回の提案を行なったクリステンセン氏は「初期段階では、成長することがプロジェクトの生命線であるという事実を忘れてはならない」と主張。金利の引き上げはエコシステム成長のための取り組みであると述べている。
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なお、支払う金利は、DAIのStability Feeから付与される。
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ステーブルコインとは
価格が常に安定するように設計された仮想通貨のこと。法定通貨または仮想通貨に価値が裏付けられていたり、アルゴリズム等で価格を安定させたりする様々なステーブルコインが開発されている。
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提案の内容と背景
クリステンセン氏の提案が可決されたのは先月。今回の金利引き上げは、あくまで一時的な措置である。
金利は、DSRの利用率に従って決定されるもので、利用率が高くなるにつれて低下し、最終的に利用率が十分に高くなると消滅するという。時間の経過とともに低下していく仕組みで、DSRの利用率が下がった場合でも再び上がることはない。
クリステンセン氏は提案の背景について、金利をDeFiの中でも高い値に設定した後に、DAIの総供給量はある程度安定したものの、まだ新規需要や資本流入の持続的な成長までは生み出せていない状況だと指摘していた。
今回の金利引き上げには、「Spark Protocol」というプロトコルを採用。米国のユーザーとVPN(仮想プライベートネットワーク)を使うユーザーは、今回の金利引き上げの仕組みを利用できない。
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