KDDIとHashPortが業務提携 日本のブロックチェーン実装の加速へ
Web3事業を拡充
国内Web3企業のHashPortグループ(以下、HashPort)は6日、電気通信事業大手KDDIと業務提携契約を締結したことを発表した。
両社の知見や技術を融合し、Web3時代の新たな日常体験を創出したり、日本でブロックチェーン技術の社会実装を加速させたりできるよう協業していくと説明している。
今年7月に両社は基本合意書を締結。その後、日本でブロックチェーン技術の社会実装を加速させたり、新たなユーザー体験を創出したり、クリエイターエコノミーをさらに発展・拡張させたりすることを目指して協業に関する協議を進めてきた。
今回の業務提携契約は、この協議に基づいて締結されたものであると説明している。主な提携業務の内容は以下。
- KDDIの「αU market」におけるPalette Chain対応
- HashPortによる「αU market」へのNFTの提供
- KDDIの「αU wallet」におけるPalette Chain対応
- HashPort提供サービスの「αU wallet」対応
- ソウルバウンドトークン(SBT)などのトークン技術を活用した新規事業の共同検討
- KDDIのPalette Chainコンセンサスノードへの参加検討
SBTとは
一度受信したらデジタルウォレットの外に移すことができない特性を持つ、譲渡不可能なトークン。ユースケースとしては、資格、職歴、プロジェクトへの貢献、ユーザー認証情報、ローン履歴など、個人の信用に関連するデータの記録などが挙げられている。
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上記の中で、NFT電子市場「αU market」と暗号資産(仮想通貨)ウォレット「αU wallet」の、HashPalette提供のブロックチェーンネットワーク「Palette Chain」への対応は6日から開始。
これにより、「αU market」におけるPalette Chain上のNFTの提供と、「αU wallet」におけるPalette Chain上のNFTの管理、「パレットトークン(PLT)」の送金・入金が可能になったとした。
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KDDIのWeb3事業
KDDIは2023年3月にメタバース・Web3サービス「αU」を発表し、すでにWeb3事業に参入済み。同月には、ゲーム特化型ブロックチェーン「Oasys」のバリデータに参加することも発表している。
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同社が提供するαU walletでは、購入した仮想通貨やNFTの管理が可能。公式ウェブサイトによれば、現在は以下の仮想通貨に対応している。
- ポリゴン(MATIC)
- パレットトークン
- Oasys(OAS)
- HOME Verse(OAS)
αU marketでNFTの購入などを行うには、αU walletが必要。αU marketはこれまで「新しい学校のリーダーズ x αU(現在は売り切れ)」などのコレクションを取り扱ってきたが、二次流通機能については今後対応予定であると説明している。
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