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イーサリアム創設者ブテリン氏提唱の「Soulboundトークン(SBT)」に高い関心

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Soulboundトークン(SBT)

イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が、暗号資産(仮想通貨)の次のテーマとして提唱する「Soulboundトークン(SBT)」について、投資家の間で関心が高まっている。

5月11日に公開された同氏の論文によると、SBTは「譲渡不可能なNFT(非代替性トークン)」のこと。一度受信したら、デジタルウォレットの外に移すことができない特性を持つ。

SBTには、教育資格、職歴(プロジェクトへの貢献)、ユーザー認証に用いられるクレデンシャル情報、過去のローン履歴といった個人の信用に関連するデータを組み込むことができる。これらの特徴から、SBTはWeb3(ウェブスリー)時代のアイデンティティ(ID)の構成要素になるという。

Web3.0とは

ブロックチェーンを活用して非中央集権型のネットワークを実現する試み、またはそのネットワークを指す。グーグルらの企業が構築した現状の中央集権体制のウェブは「Web2.0」と定義されている。

また、SBTは、dApps(分散型アプリ)のサービス設計に組み込むことができる。具体的なユースケースとして、賃貸契約、無担保ローン、大学の学位付与、DAO(分散型自立組織)、イベントチケット等が想定されている。

ブテリン氏は、Soulboundトークンが2022年中に利用可能になると述べており、「仮想通貨相場の次の強気トレンドでは、誰もがこの”SBT”に注目することになるはずだ」と強調している。

DeFiの課題

論文によれば、今日のWeb3は資本集約的な経済活動に終始している。現実社会はより広大な経済活動が信用ベースで成り立っており、SoulboundトークンはそうしたユースケースをDeFi(分散型金融)を含むブロックチェーン市場にもたらすことができる。

その代表例が、無担保ローンだ。Soulboundトークン(SBT)により、個人の信用情報のみで資金を借りられるようになるだろう。SBTは発行者が取り消すこともできるため、ローンが返済されたらトークンをバーン(焼却)したり、返済証明SBTに置き換えて信用力を強化することもできる。

SBTは、希少性、評判、または信頼性に基づいて構築されたあらゆる市場に応用できるため、分散型金融市場を一新し、さらなる発展を促す可能性がある。

関連:オントロジー、分散型ID(DID)製品群をアップグレード

分散型社会の構成要素

論文では、Soulboundトークン(SBT)とそのユースケースによって実現するエコシステムは「分散型社会(DeSoc)」と呼ばれている。これは、個人とコミュニティが共同構築するネットワークだ。

DeSocは現状のDeFiシーンとは対照的である。多くのプロトコルが譲渡可能なトークンを前提に設計されているため、資本力豊富なクジラ(大口投資化)やベンチャーキャピタルが実質的な支配権を握っている現状は否めない。

イーサリアム(ETH)基盤の最大手NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスOpenSeaでは、お金を積めば誰でも出品中のNFTを購入できる。

DAO(分散型自立組織)は複数のアカウントから投票できるため、複数のアカウントや偽IDを用いるシビル攻撃に対して脆弱であり、DEX(分散型取引所)はトークンインセンティブを餌にオープンソースプロジェクトをコピーしたバンパイア攻撃(Vampire Attack)が起きてきた。

Soulboundトークンによって、そうした現状を一新する可能性がある。

Soulとコミュニティが共同決定することにより民主主義となる。この可能性の拡大は、Web2の権威主義やDeFiの無政府資本主義を著しく改善する。

論文では、Soulboundトークンと「Soul」は分散型社会(DeSoc)を形成する構成要素とされている。1つ以上のSBTを保持するウォレットはどれでも「Soul」と呼ばれ、複数のSBTにより、発行者の社会的関係がブロックチェーン上のSoulに反映される。これにより、個人のWeb3IDが形成されていく。

SBTの組み合わせにより、エアドロップ(無料配布)の対象者を決定する使い方も想定されている。これは「ソウルドロップ(Souldrops)」と呼ばれ、DAOのガバナンス領域でコミュニティの貢献を促すインセンティブ設計を変革する。

関連:イーサリアムL2「Optimism」、エアドロップ不正利用のアドレスを調査

復元できるSBT

なお、Soulboundトークン(SBT)は必ずしも、個人情報をブロックチェーン上で管理するための仕組みではない。Soulは個人情報に紐づく必要はなく、また、「一人につき一個のSoul」を保証する仕組みも想定されていない。

ゼロ知識証明を使用して、Soul(SBTを保有するウォレット)に関して、「特定のメンバーシップを持つ」といった一定の特性を確認することもできる。

ゼロ知識証明とは

証明(Proof)プロトコルの一種であり、証明者が「自身の主張は真実である」以外の情報を検証者に開示することなく、その主張が「真実である」と証明するメカニズム。

また、例えSoul(ウォレット)を紛失しても、Soulboundトークン(SBT)はコミュニティの力を借りて再発行することができる。そのソーシャルネットワークにいる人たちの投票により、社会的関係が証明されるという。

その他にも、論文は分散型社会の実現に向けていくつかのマイルストーンを指定している。以下はいずれもSoulboundトークンとSoulによって実現可能になるという。将来的にはAIや機械学習の発展にも寄与すると見込まれている。

  • 経歴の立証
  • レピュテーションによる無担保融資市場の活性化
  • 協調的な戦略的行動の阻止、補償
  • 分散化の測定
  • 棲み分けできる、権利と許可が共有された、新しい市場の創造

関連:米グーグル、Web3.0の専門チーム設立へ=CNBC

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