エルサルバドルでビットコイン採掘プール「Lava Pool」が稼働、政府に利益の23%を提供

ビットコイン推進国で採掘開始

エルサルバドルのビットコイン(BTC)採掘企業「Volcano Energy(ボルケーノエナジー)」は4日、マイニングプール「Lava Pool」をローンチしたことを発表した。

Lava Poolのローンチには、米採掘サービス企業のLuxor Technologyが協力。ボルケーノエナジーは、ビットコインのハッシュレートの分散化をさらに進め、エルサルバドルのエネルギーインフラの強化にも取り組むとしている。

マイニング(採掘)とは

コンセンサスの仕組みに「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」を採用する暗号資産(仮想通貨)において、取引を検証する作業のこと。コンピューターで膨大な計算を行って電力を消費するため、地球環境への影響を懸念する声も上がっている。

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Luxor Technologyがプレスリリースであると説明する「Bitcoin Magazine」の報道によると、Lava Poolは、豊富に再生可能な地熱エネルギーによって稼働するエルサルバドル初のマイニングプール。ボルケーノエナジーは、運営の純利益の23%を同国政府に提供する契約を結んでいるという。

ボルケーノエナジーの幹部は、Lava Poolのローンチについて、以下のようにコメントした。

Lava Poolは、エルサルバドルが国家として、ビットコインのエコシステムで先行者利益を獲得した一例である。

我々のビジョンは、ビットコイン採掘とエネルギーの垂直統合した企業を作ること。その価値は投資家やエルサルバドルの国民に恩恵を与えるだろう。

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エルサルバドルとビットコイン

エルサルバドルは2021年、世界で初めてビットコインを正式に国の法定通貨として認定。米ドルとともに法定通貨として、決済などにビットコインが利用されている。昨年11月には、同国のナジブ・ブケレ大統領が「毎日1BTCを購入していく」と宣言して注目を集めた。

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同国は政府がビットコインの採用を推進しており、Lava Poolのローンチは国の取り組みに貢献することが期待されている。ビットコインの積極的な活用には一部の国際機関や国民から反対の声が上がっているが、エルサルバドルには「ビットコイン・シティ」という仮想通貨推進特区を作る計画もある。

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エルサルバドル政府は、マイニングから得られる利益をエネルギー事業に再投資していくという。

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テザー社が出資

米ドルステーブルコイン「USDT」などを発行するテザー社は今年6月、ボルケーノエナジーに2億5,000万ドル(当時のレートで約350億円)出資したことを発表。この時の投資ラウンドでボルケーノエナジーは、計10億ドル(同約1,300億円)規模の初回投資ラウンドを行っていた。

テザー社は「持続可能なビットコインマイニングと、エルサルバドルの経済成長を支えていく」と説明。ボルケーノエナジーは、エルサルバドルのビットコイン支持者ホスエ・ロペスCEOと、ブケレ大統領の顧問も務めているマックス・カイザー会長が共同で率いているという。

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