ブラックロックのビットコインETF「IBTC」がDTCCに再掲載
DTCCから「IBTC」のティッカーが消失、再掲載
ブラックロック申請中の現物ビットコインETFである「iシェアーズ・ビットコイントラスト」のティッカー「IBTC」は、「デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(DTCC)」の管理するリストから一時的に消えたが、その後再掲載された模様。昨日、DTCCへの掲載が確認されビットコインETFの早期承認への期待感を高めていたが、ティッカーの消失を受けてビットコインは約3%下落していた。
DTCCの掲載から外されたことについてブラックロック側はコメントをしていない。
一方、DTCCへの掲載は実は8月からあったとの指摘も見られた。DTCCの代表はThe Blockの取材で、「新しいETFの市場投入に備えてNSCCの証券適格性ファイルに証券ティッカーを追加するのは『標準的な慣行』だ」と述べ、「このファイルにはアクティブなETFと潜在的なETFも含まれている。このリストに掲載されることは、単にエージェントバンクがETFファンドのDTCC識別子を要求していることを示すものであり、DTCCはSECの承認後、将来的に未定の日付でその取引を処理する可能性がある」と説明した。
米金融市場の「心臓部」ともいわれるDTCCは日本の「証券保管振替機構」のような立ち位置で、証券取引の決済と清算、証券登録、および関連する金融サービスを提供する米国証券市場において重要な役割を果たすクリアリングハウスだ。同社は複数の子会社を通じて米国およびその他60カ国以上の上場企業の数百万銘柄の証券を保管しアセット・サービシングを行っており、DTCCの2つの子会社事業はスタンダード・アンド・プアーズの最高格付け(AAA)を取得している。また、DTCCは昨年、2,500兆ドル相当の証券取引を処理した。
ブラックロックのビットコインETF申請は今もSECの審査段階にあるが、有識者らはDTCCに掲載されたを受け、ブラックロックだけでなくその他11社のビットコインETF申請承認も確実に近づいていることを意味するとみていた。
仮想通貨業界進出のDTCC
DTCCは現在ブロックチェーン技術導入など仮想通貨業界への参入を進めている。先日、ブロックチェーンによる資本市場のデジタル化を強化するために機関投資家向けブロックチェーン・インフラ・プロバイダー「Securrency(セキュレンシー)」の買収に合意した。現実資産(RWA)トークン化取引のマスアドプション(普及)が期待される。
SecurrencyはDTCCの完全子会社となり、新社名は「DTCC Digital Assets」に改名される。
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