ドバイIFC、仮想通貨規制枠組み内でXRPの使用を承認 ライセンス保持企業がサービスに組み込み可能に
XRPがライセンスを獲得
米国のブロックチェーン企業リップル社は2日、ドバイの金融規制当局であるDFSAから、暗号資産(仮想通貨)XRPの承認を受けたと発表した。これにより、ドバイ国際金融センター(DIFC)にライセンスを持つ仮想通貨関連企業は、XRPを自社のサービスで利用できるようになった。
ドバイ国際金融センター(DIFC)は、世界でも屈指の金融ハブであり、ドバイ首長国の特別経済区である。DIFCはドバイ金融サービス機関(DFSA)によって規制されており、DFSAは金融セクターの革新、安定性、そして完全性を促進するための独立した規制機関として機能している。
DFSAの承認を受けた仮想通貨として、XRPは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)に次ぐ4番目である。XRPは今後、DIFCにおける明確な規制のもとで流通可能になる。
DFSAが整備するDIFCの環境において、ライセンスを取得した事業者は、ドバイの仮想通貨、支払い、フィンテック業界の発展に対する長期的なコミットメントを果たすことができる。XRPレジャーの主要な構築者である米リップル社の最高経営責任者(CEO)ブラッド・ガーリングハウスは、この動向について以下のように述べている。
ドバイは仮想資産の規制とイノベーションの育成において、世界的なリーダーシップを発揮し続けています。DFSAがXRPのようなデジタル資産の採用と使用を促進し、ドバイを外国投資を引き付け、経済成長を加速する意図を持つ先進的な金融サービスハブとして位置付けることは心強い。リップルはドバイでのプレゼンスをさらに強化していく。規制当局と緊密に協力して、暗号通貨の全潜在能力を実現することを楽しみにしている。
UAEは、明確な規制の下で、ライセンスを取得した事業者が仮想資産サービスを提供する先駆的な地域としての地位を確立している。ドバイでは、投資家保護、リスク管理の強化、そしてイノベーションの推進を目指して、2022年に仮想資産規制当局(VARA)が創設された。
11月8日と9日には、リップルの年次イベント「リップル・スウェル」がドバイで開催される予定で、DIFCの最高執行責任者であるAlya Al Zarouni氏が主要なステージに登場する。VARAのCEO、Hensen Orser氏も、国内外のフィンテック、金融、仮想通貨業界の指導者や政策立案者と共に、メインステージで登壇する。
関連:リップル主催の大型カンファレンス「SWELL2023」開幕迫る、注目のセッションを紹介
ドバイの仮想通貨規制
DFSAにおけるXRPの認可は、XRPレジャーを活用した地域間の新しい決済方法や、その他の仮想資産の利用シナリオを拡張させる可能性を秘めている。
DFSAは、仮想資産および関連する活動に関してDIFC内で一貫した規制体系を構築している。仮想資産はデジタル化された価値の表現として定義され、決済、取引、投資の目的に利用されるもので、ユーティリティトークンやセキュリティトークン(証券)も含まれる。
関連:ドバイFSA、デジタル資産の法整備へ 仮想通貨も対象範囲に
この範囲にはICO(Initial Coin Offering)やSTO(Security Token Offering)を通じた資金調達、カストディアンサービス、ウォレットサービス、ファンドマネジメントなどが含まれる。DIFCでビジネスを行う企業は、DFSAからのライセンスを取得する必要がある。
ドバイは既に仮想通貨分野において進んだ取り組みを見せており、2020年には特別区を設立して仮想通貨・ブロックチェーン関連ビジネスを支援してきた。この特別区には税の免除措置も設けられている。
リップル社は2020年に、ドバイに地域統括会社を設立し、中東および北アフリカ(MENA)地域でのビジネスを積極的に展開している。リップルによると現在、同社の顧客の約20%がMENA地域に拠点を置いているとされる。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します