リップル社の国際会議Swell
リップル社が主催する年次カンファレンス「Swell」、今年は11月8日と9日にドバイで行われる予定だ。
「Swell」は2017年からスタートし、2023年で7回目を数える。このイベントは、リップル社の顧客をはじめ、ブロックチェーン関連企業、規制当局、政策策定者、そして金融業界のトップリーダーが集結する重要イベントとして認知されている。
2020年は、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けオンライン開催となったが、2021年からはハイブリッド形式に移行。今回は招待者のみの現地開催が予定されている。
過去のカンファレンスでは、XRPレジャーを活用した決済ネットワークの進捗状況や、ブロックチェーンの実世界での応用に関する議論が繰り広げられた。
Swell 2023のアジェンダには、金融包摂、ドバイの暗号政策、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、実物資産のトークン化技術など、ブロックチェーンと暗号資産(仮想通貨)の未来を議論するトピックが盛り込まれている。
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暗号技術のイノベーションハブを目指すドバイ
1日目の注目セッションは、「ドバイ国際金融センター(DIFC)のブロックチェーン技術への取り組み」をテーマにした基調講演だ。暗号技術のイノベーションハブとしての位置づけを築こうとするドバイの戦略について、DIFCの最高経営責任者であるアリヤ・アル・ザロウニ氏が語る。
また、CBDCに関するセッションも大きな注目を集めるだろう。特に、2023年7月にパラオ共和国がXRPレジャーをベースにしたステーブルコインの試験的配布を行った背景や、その取り組みについて、パラオのカレブ・ウドゥイ財務大臣が語る。
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さらに、MetacoのCEO、アドリアン・トレッカーニ氏が登壇する「トークン化された経済におけるカストディ」セッションも注目される。トレッカーニ氏は、実物資産のトークン化が金融市場にもたらすインパクトについて議論する。
Metacoは、リップル社が2023年5月に2億5,000万ドルで買収したカストディサービスプロバイダーであり、デジタルアセット向けの技術提供で高い評価を受けている。リップル社は、この買収を通じて、暗号通貨カストディ市場が2030年までに10兆ドル規模に成長するとの見込みを示していた。
UAEの暗号資産規制
2日目ではさらに、ドバイが仮想通貨分野でのグローバルリーダーシップをいかに築いていくのか、その戦略を深掘りする。アラブ首長国連邦の野心的なブロックチェーン戦略とイニシアチブについての議論が予定されている。
参加するパネリストは、Crypto Oasisの共同創業者で、ドバイで総合的なブロックチェーンサービスを手がけるサクル・エレイカット氏、ステーブルコインを手掛ける米国のCircle社のVP、ミリアム・キワン氏、MENA地域で企業向けデジタル資産サービスを展開するFuzeのCEO、モー・アリ氏、そしてドバイ・ブロックチェーン・センターのCEO、マルワン・アル・ザロウニ氏。
次のセッションでは、Virtual Asset Regulatory AuthorityのCEO、ヘンソン・オーサー氏が、UAEが目指す革新的な金融ハブとしての暗号資産規制に関する取り組みについて話す予定だ。このセッションには、リップル社の最高法務責任者、スチュアート・アルデロティも参加する。
リップル社は最近、仮想通貨XRPの二次販売が有価証券として扱われるべきではないとの裁判所の判決を受けた。この歴史的な勝利は、クリプト業界全体の信頼性と透明性を向上させる大きな一歩となった。
注目すべきセッションとして、MFS Africa社のCEO、ダレ・オクジョウ氏が上げられる。リップルとMFS Africaは昨年、仮想通貨を介した国境を越えたリアルタイム送金をスマホから実現するための提携を発表した。
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今回は、仮想通貨決済のパイオニアとしての同社の取り組みや、デジタル通貨がアフリカの金融包摂と経済発展にどう寄与するかについての議論が期待される。
その他、リップル社の流動性プロダクト責任者ブラッド・チェイス氏は、アルトコイン取引所Changer.ae、カナダのデジタル資産銀行Nuvei、マレーシアの決済プロバイダーDoo Group等と、仮想通貨流動性の課題、機会について議論する。
2日目のクロージングとして、リップル社のCEO、ブラッド・ガーリングハウス氏による基調講演が予定されている。ガーリングハウス氏は、リップルの成果や法的勝利、そして未来への展望について触れることが期待される。