NFTの盗難は財産の窃盗罪とみなすべきか? 中国法学者の議論

NFTの財産性に関する議論

中国の人民法院ニュースは9日、デジタルコレクションの窃盗に関する法的見解を主張する文書を公開した。

中国の西南政法大学に所属する法学者Chen Wei Ye Jing氏は、デジタルコレクションの盗難は、単なるデータの盗用ではなく、その独特の性質と価値に基づいて適切に扱われるべきだと述べた。

中国ではNFT(非代替性トークン)は一般的に「デジタルコレクティブル」と呼ばれ、国内外で取引が行われている。取引の際には仮想通貨ではなく人民元が使用され、中央集権型台帳に取引が記録されている。

デジタルコレクションは、ブロックチェーン技術を使用して特定の資産をマッピングするため、ユニークで複製不可能、改ざん防止が施され、永久に保存される特性を持つと位置づけられる。

3つの見解

中国でデジタルコレクションという新しいデジタル資産がデジタルエコノミーで注目されている中、著者はデジタルコレクションの盗難に関する法的問題と評価の重要性について述べている。

まず、文書はデジタルコレクションの法的性質について、3つの異なる見解を展開した。

  1. データとしてのデジタルコレクション

    この見解では、デジタルコレクションは電子データであり、その盗難はサイバー犯罪として扱われるべきだとされる。

  2. 仮想財産としてのデジタルコレクション

    この見解では、デジタルコレクションはネットワーク環境における財産であり、窃盗罪として処理される可能性がある。

  3. データと仮想資産の二重性

    この見解では、デジタルコレクションにはデータと仮想資産の両方の特性があり、この複合的な性質に基づいて法的処理が行われるべきだとされる。

最終的に、著者はデジタルコレクションにはデータと仮想資産の両方の特性があるとの見解を採用した。デジタルコレクションはインターネット上の仮想財産であり、財産権の観点から見ると、希少性を持ち、使用価値と交換価値を持つという。

それゆえ、デジタルコレクションの盗難は、コンピュータ情報システムのデータを不法に取得する犯罪と窃盗の犯罪を同時に犯していると見なされると述べた。法的量刑の観点からは、窃盗罪は重罪と見なされ、これに対する適切な処罰が求められる。

今回の発表は、あくまで著者の個人的な意見であり、中国の人民法院の公式な判断や決定ではない。デジタルコレクションに関する法的議論を進めるための段階的な結論と位置づけられ、これらのデジタル資産がどのように法的に扱われるべきかについての理解を深めるためのものである。

デジタルコレクションの盗難は、単にデータの盗用以上のものであり、その独特の性質と価値に基づいて適切に扱われるべきだと、著者は強調した。

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中国のNFT事情

中国のNFT市場は急速に成長し、規制と支援の両面から注目されている。2023年1月1日、北京で行われた式典で、国が支援する初のNFT(非代替性トークン)取引市場、「中国デジタル資産取引プラットフォーム」が発足した。このプラットフォームは、中国技術取引所と中国文化財交流センター、そして民間企業の華版デジタル著作権サービスセンターが共同で構築・運営しており、知的財産権、デジタル著作権、デジタル収集品に関する取引を扱う。

設立の目的は、NFTの二次流通市場における過度の投機を規制し回避すること。中国政府はNFT市場の健全な発展を支援し、文化産業のデジタル改革を推進し、デジタル資産の資産化とデジタル化を促進している。

アリババやテンセントなどの大手企業や公的機関もこの新しいNFT市場に積極的に参入し、NFTプラットフォームの開発も進行中だ。仮想通貨を使用しないNFTプラットフォームも開発されている。

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