ビットコイン4週連続陽線、週足終値は昨年5月のテラショック前水準に
マクロ経済と金融市場
前週末10日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比391.1ドル(1.1%)高、ナスダック指数は276.6ポイント(2.0%)高で取引を終えた。
国際通貨基金(IMF)のパネルディスカッションで、パウエルFRB議長が「必要に応じて躊躇なく利上げする」などと水を差したことで売りが先行したものの、週末にかけて見直し買いが入ったものとみられる。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比0.99%高の1BTC=37,240ドルに。
週足は4週連続で陽線を付け、終値ベースでは前週の35,035ドルから2,000ドル幅上昇。昨年5月に発生したアルゴリズム型ステーブルコイン「TerraUSD(UST)」の崩壊を発端にしたテラ・ショック及びThree Arrows Capital(3AC)破綻前の水準である37,086ドルに達した。
最大手資産運用会社ブラックロックがイーサリアム(ETH)現物ETFの申請準備をしていることが報じられたこともあり、ビットコインETF(上場投資信託)をめぐる思惑のほか、アルトコイン相場の循環物色が相場を牽引している。
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暗号資産(仮想通貨)取引所BitMEX創業者のアーサー・ヘイズ氏は、パレスチナ戦争の勃発以来BTC価格が26%上昇したのに対し、長期米国債ETFであるTLTはわずか3%の上昇にとどまっていることを指摘。「仮想通貨ほど中央銀行のバランスシートの増加を上回るパフォーマンスを示した金融商品は過去に存在しない」と語った。
一方、ストラテジストのAli Martinez氏は、ビットコインの週足および3日足において、TDシーケンシャルに売りシグナルが点灯したと指摘した。同氏によれば、TDシーケンシャルの買いシグナルが点灯した9月初旬以降に強気相場が始まっており、指標としての信頼性には一定の定評がある。
トム・デマークが考案したTDシーケンシャルは、チャート上の高値・安値のパターンを分析し、数値的なシーケンスに変換することで、相場の転換点を予測しやすくなるとされるものだ。
短期的な反転を示唆する“9”の点灯は、過去の相場では、いずれも押し目や戻りなど反転シグナルとして機能した。
また、Ali Martinez氏は「BTCが10月下旬に34,000ドルを超えて急騰して以来、ビットコインマイナー(採掘業者)は5000BTC(1億7500万ドル相当)以上を売却している」と指摘。半減期を控えたマイナーの売り圧力が続く可能性を示唆した。
ソラナ続伸
ソラナ(SOL)の続伸が止まらない。
SOLは13日までに前週比38.9%高の58.1ドルを記録し、年初来高値を更新。XRPに次ぐ時価総額6位へ浮上した。前月比では166%高に達した。
これに伴い、先物建玉は11日時点で7億7200万ドルまで急増し、過去最高値の1SOL=260ドルに達した21年11月以来の高水準となった。
OI(未決済建玉)の上昇はFunding Rate(資金調達率)の調達金利の上昇と一致しており、レバレッジを活用したロングポジションが短期間で積み立てられた可能性が高い。
背景には、年次カンファレンス「Breakpoint 2023」のステージで、次世代バリデータークライアント「Fire Dancer」のテストネット稼働を発表したことなどがある。
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機関投資家の関心も高まりつつあり、CoinSharesのデータによれば、ソラナ関連ファンドには11月3日までの1週間で計1080万ドルの流入があった。
アルトコイン相場の強気心理を反映する一方で、ボラティリティ(価格変動性)リスクには注意が必要だ。相対力指数(RSI)は、2021年9月以来の過熱水準に達している。
23年9月には、米デラウェア州破産裁判所が破綻したFTXに対し、債務整理の一環で保有する資産の内5575万SOLの売却手続きを承認。過去2週間の間、1日あたり250,000〜750,000SOLを売却したものと見られる。
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