「ユーザーがポテンシャルを最大化できる環境を作っていきたい」自民党、DAOのハッカソンを開始
更なるDAO支援を検討
自民党のweb3プロジェクトチーム(PT)は15日、自律分散型組織(DAO)に関するルールメイクハッカソンを開始した。
同日には一般メディアのTBSもDAOの議論が始まったと報道。この取り組みを通じてweb3PTは、制度的な側面から更なるDAO支援を検討していきたいと述べている。
DAOとは
「Decentralized Autonomous Organization」の略。一般的な企業などとは違って経営者のような中央管理者が存在せず、参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる組織を指す。
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このハッカソンは、今月2日にweb3PTが開催を発表していた。地方創生やコミュニティ運営などDAOの事例が増えている一方で、日本の法制度ではDAOを設立・運営するための明確な法人・組合形態が存在していない現状が、ハッカソン開催の背景にある。
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TBSによれば、web3PT座長の平将明議員はDAOについて以下のようにコメントした。
DAOが明確に定義づけされて、グレーゾーンじゃなくなると、自治体や大企業も含めて皆さんが使いやすくなっていく。
柔軟に規制・ルールをデザインして、ユーザーがポテンシャルを最大化できる環境を作っていきたい。
「コインデスクジャパン」によると、ハッカソンの会場には平議員のほか、自民党デジタル社会推進本部長の平井卓也議員、web3PT事務局長の川崎ひでと議員、今回ハッカソンに参加する約20の事業者の中から第1回目にプレゼンテーションを行う4事業者、web3PTメンバーや関連する省庁からの出席者が集まったという。
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ハッカソンについて
今回のハッカソンは10日に事前オリエンテーションが行われ、実際のハッカソンは今月の15日、22日、29日に行われる予定。DAOに関する法律の在り方について、これまでweb3PTで発表を行った関連団体や企業、推薦された事業者を招待する。
ハッカソンで検討したいポイントは「法人格が必要か」や「既存の合同会社や株式会社で十分か」といった内容。議論したいテーマの例として、web3PTは以下の内容を挙げている。
- DAOをつくる理由は何か?法人格で困ることはあるか?
- 既存の法人格はあるが、そこに属さない理由は何か?
- 金銭的な価値の流通が発生するか?金商法で困ることはあるか?
- 非金銭的な価値の流通が発生するか?既存の法律で困ることはあるか?
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