国際決済基盤Fnality、英中銀の資産をトークン化
金融大手ロイズなどが取引に参加
規制された決済システムを構築している世界的な銀行のコンソーシアムFnality Internationalは14日、中央銀行資金をデジタル化した初のライブ取引を行ったと発表した。
金融大手のロイズ・バンキンググループ、サンタンデール銀行、UBSがこのシステム「Sterling Fnality決済システム」(£FnPS)」の最初の参加者となった格好だ。
「Sterling Fnality Payment System」はFnalityが英国中銀であるイングランド銀行と協力して稼働させた決済システムである。
2019年に設立されたFnalityは、分散型金融市場インフラ(dFMI)を構築しており、ホールセール・バンキング(機関間の大口決済)市場に、世界初となる24時間稼働のDLTベース決済システムを提供することを目指しているところだ。
2022年には英財務省から決済システムとして承認を受け、イングランド銀行と規制当局の管轄下に置かれている。
同年のシリーズB資金調達ラウンドでは、日本の金融大手である野村ホールディングスやみずほフィナンシャルグループなども出資した。
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Sterling Fnality決済システムの今後
Fnalityは、今回の動きにより、ホールセール決済システムにおける、中央銀行資金の安全性と品質を、ブロックチェーン技術の革新的な機能性や柔軟性と初めて組み合わせることができたと述べている。
FnalityのRhomaios Ram CEOは、次のように話した。
今回の成功は、ホールセール決済とデジタル資産の分野における大きな一歩であり、FnalityのDLTベースの決済システムの世界的な可能性を示すものだ。
私たちと協力している様々な銀行や金融市場インフラのプロバイダーは、今後数か月でプラットフォームに参加する準備が整っている。
開発中のエキサイティングな一連の機能拡張とともに、私たちはシームレスなグローバル流動性管理エコシステムというビジョンの実現に向けて着実に歩みを進めている。
Fnalityは、「Sterling Fnality決済システム」(£FnPS)」により、ホールセール(銀行など機関間)の金融市場と、新興のトークン化資産市場の両方において、ペイメント(P)、ペイメント対ペイメント(あるマネーと外国マネーの取引:PvP)、デリバリー対ペイメント(証券の引き渡しと代金の支払いなどの意味:DvP)のための新たな決済モデルを提供していくことも目的としている。
将来的には、イングランド銀行の監督の下で、米ドルやユーロを含む他の中核通貨での決済、より多くの銀行の参加、条件付決済、デジタル証券(ST)決済、日中レポ、日中FXスワップなど様々な機能を展開していくことも視野に入れている形だ。
初期の計画としては、日本円や、カナダドルなども含めて主要通貨をデジタルトークン化し、ブロックチェーン上でP2P決済を行うネットワークを構築することを挙げている。
Fnalityは、今年も新たにシリーズBラウンドを開催しており、11月にはゴールドマン・サックスとBNPパリバ主導で約144.6億円を資金調達したと発表したところだ。
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資産トークン化は、金融業界や各国中央銀行などから注目を集めている分野だ。台湾中央銀行の副総裁も7日、資産トークン化と中央銀行デジタル通貨(CBDC)がイノベーションの鍵になるとして、CBDCでトークン化資産を清算する構想を話した。
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RWAとは
「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債権等の有価証券などが含まれる。
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