米政府の巨額シルクロードビットコイン押収に最終決定、処理方法に対する関心が再燃
約7万BTCの没収を最終決定
米国の控訴裁判所が、ダークウェブマーケット「Silk Road」の創設者、Ross Ulbricht氏(ロス・ウルブリヒト)被告によって放棄されたビットコイン(BTC)とその分岐資産の没収を最終決定したことが20日に判明した。
この決定により、シルクロード関連で米政府が押収していた資産に、69,370 BTC(約4320億4400万円相当)が加わることになった。従来の押収資産(残高は約4万BTC)と合わせ、これらの資産の処理のタイミングが市場で注目されている。
このタイミングも興味深い。陰謀論者であれば、これらの69,370 BTCが現在ETF展開の重要な担保の一部になると言うかもしれない。政府とその代理人は、新しい、BTC ETFに数十億ドルが流入する中で、実際のBTCの価格上昇の恩恵を受ける。(経済ジャーナリストでビットコイン強気派のマックス・カイザー氏)
Ulbricht氏からの押収資産としては、69,370 BTCが記録されている。この判決は2022年8月に下され、米第九巡回区控訴裁判所の裁定に基づき、今後実施される予定である。20日に提出された書類には、Silk Road創設者のUlbricht氏が被告、米政府が原告として記載されている。
Ulbricht氏は2011年から2013年までSilk Roadを運営し、資金洗浄、コンピュータハッキング、不正身分証明書の取引、麻薬不正取引の共謀の罪で終身刑を受けている。このサイトはUlbricht氏が逮捕された2013年末に連邦捜査局によって閉鎖された。
2020年11月、米司法省は69,370 BTC(当時約1,000億ドル以上)の差し押さえを求める訴状を提出した。具体的には、69,370.22491543ビットコイン(BTC)、69,370.10730857ビットコインゴールド(BTG)、69,370.10710518ビットコインSV(BSV)、69,370.12818037ビットコインキャッシュ(BCH)が押収された。
これらの資産は、Chainalysisのツールと捜査協力によって特定された大口ウォレットからのもので、シルクロードから盗まれた資産を管理していたIndividual Xが所持していた。2015年には、Individual Xが盗んだ資金の一部を現金化していたが、大部分はIndividual Xのウォレットに留まっていた。その後、これらの資産は米国政府の管理下に移っていた。
当時、69,369 BTCが大口ウォレットアドレスから移動されたことで、市場の注目を集めた。大規模な売却がビットコイン価格に影響を与える可能性があるため、大口資金の動きは常に監視されている。
Ulbricht氏は2022年に米政府に対する債務の支払いとしてビットコインを提供することに合意し、69,470 BTCの権利を放棄した。
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シルクロードに関するBTC押収事例
Silk Roadに関連するビットコインの押収は、Ulbricht氏だけではない。米国政府は、少なくとも2人の被告からビットコインを押収しており、ジェームズ・ジョン被告からは2022年11月に50,676 BTC(当時33.6億ドル)を押収した。
ジョンは通信詐欺で有罪を認め、2012年にSilk Roadからビットコインを盗んだ罪で逮捕された。
今年3月にはジョンから押収した資産のうち9,861.17 BTC(約2億1,600万ドル)が売却されたことが、裁判所に提出された文書からわかった。残りの4万1490BTCは分割して売却される予定である。なお、現在の所、コミュニティが観測している米政府のウォレットには、4万1490BTCのみが計上されている。
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