ビットコイン市場予測、2024年に向けたレンジ相場の可能性─Bitfinex分析

レンジ相場への移行を予測

22日に公開されたBitfinex Alphaレポートによると、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)市場は2024年に向けて、一定のボックス範囲の中で価格が上下する「レンジ相場」に移行するとの見方が出ている。

根拠としてはオンチェーンメトリクス、相場サイクルと投資家センチメントの過去の傾向、そしてマイナー動向を挙げている。

市場価値(青線)、 実現価値/価格(オレンジ線)、Zスコア(赤線): 市場価値と実現価値の標準偏差を表す統計的な尺度、 出典:Bitfinex Alpha(以下全て同)

レポートによると、ビットコイン価値の過大評価や過小評価を判断する上で重要な指標の一つがMVRV Z-Scoreだ。この指標は、ビットコインの市場価値(時価総額)と実現価値の比率を測定し、その価値の評価を可能にする。

MVRV比率が3.7を超える場合、ビットコインが過大評価されていることを示し、市場の天井を予兆する傾向がある。この状況は、チャートの赤い領域に示される。逆に、比率が1未満の場合は、ビットコインが過小評価されていることを示唆し、市場の底を示す可能性があり、これはチャートの緑の領域で確認できる。

現在のMVRV値は約1.99、Zスコアは1.47という数値に基づき、ビットコインが過小評価されている時期を表すZスコアの緑色ゾーンからの初期上昇が見られた2019年6月や2016年7月の状況に類似しているとして、Bitfinexは以下のように指摘した。

これは、ビットコインが$44,000〜$45,000ゾーンに到達した後に市場が引き返す可能性があること、そしてこれらの価格でのさらなる価格範囲内の動きや歴史的データに基づいての即座の上昇ではなく、引き返すことが予想される理由の一つを示唆している。

実現価値とは

ビットコインの実現価値とは、最後の取引価格に基づいてコインごとに計算されるもので、市場の短期的な感情の影響を受けにくく、長期的な価値評価を示す指標とされる。

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2020年9月の水準

また、「恐怖と貪欲指数」に基づく分析も重要な根拠の一つだ。この指数は、ビットコイン市場の感情的傾向を測定し、投資家心理を反映する。ボラティリティ、市場勢い、ソーシャルメディアトレンド、調査結果、ビットコインの時価総額に対する優位性などを分析する。

2023年、ビットコインの恐怖と貪欲指数は、「極端な恐怖」から「貪欲」への移行を果たした。これらの感情の変動は、市場の方向性が変わる兆しとされ、価格の安定化が連想される。

2020年9月の例を見ると、指数が「貪欲」領域に移行した後、市場は小幅な反落を経験し、レンジ相場へと移行することが多い。

Bitfinexによれば、現在(12月)の市場活動が落着き、レンジ相場が始まる可能性がある。しかし、2024年に「極端な貪欲」サイクルを迎え、ビットコインが新たな最高値を更新する可能性も指摘されている。

Bitfinexのアナリストは、暗号資産への機関投資家の関心が高まっており、これが市場に大きな影響を与えると見ている。特にビットコイン現物ETFの導入が暗号市場に与える影響が注目され、暗号資産市場の総時価総額が現状の2倍、3.2兆ドルに達する可能性が示されている。

また、特に2024年の前半において、ビットコインが機関投資家のポートフォリオの中で有利な地位を維持すると予想しているが、市場は大きな変化を迎え、「よりリスクの高い暗号資産への資金の流れを加速させる可能性がある」とも述べた。

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仮想通貨ユーザーは9億5000万人に拡大

Bitfinexの報告によると、暗号資産市場への見通しは楽観的であり、2024年までにユーザー数が8億5000万人から9億5000万人へと大幅に増加することが予想されている。

2023年の年初に4億3200万人であった暗号資産所有者は、12月1日時点で5億7500万人に増加し、この間、毎月2.8%の成長率を記録したと見られている。

2021年の強気市場を基準にした場合、2024年を通じて、毎月の成長率は3.8%から4.4%を超えるペースで増加する可能性が高いとされている。

特に注目すべきは、エルサルバドルやアルゼンチンなど経済の不安定な国々でビットコインの採用が進んでいること。これは暗号資産が経済不安のヘッジ手段として機能していることを示唆している。Bitfinexは、2024年に向け、グローバルに広がるビットコインの採用は、暗号資産市場の成長と普及に大きく貢献すると予想している。

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