「現物ETFはビットコインネットワークを破壊させうる」アーサー・ヘイズ氏の考察
現物ETFの影響
暗号資産(仮想通貨)取引所BitMEXの共同創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は23日、仮想通貨投資に関する記事を公開した。
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記事の中でヘイズ氏は、来月にも承認される可能性があると期待が高まっているビットコイン現物ETF(上場投資信託)にも言及。そして、「もし、従来の資産運用企業のETFが過度に成功すれば、ビットコインは完全に破壊されるだろう」との見解を示している。
同氏は実物として存在する法定通貨やゴールド(金)とビットコインを比較。その上で「ビットコインは移動することによって存在する、人類史上初めての金融資産である」と主張した。
この主張の根拠についてヘイズ氏は、マイナーの存在に言及。ビットコインは2140年以降ブロック報酬がなくなるように設計されているとし、そうなればマイナーはトランザクション手数料からしか収入を得ることができなくなると説明している。
つまり、これはビットコインが移動せずにトランザクション手数料を生まないとマイナーの報酬がなくなってしまうことを意味すると指摘。ビットコインが移動してトランザクション手数料を生まなくなればマイナーは稼働をやめ、ネットワークが途絶えてビットコインがなくなるというのが上記の主張の根拠だ。
ビットコイン独占のリスク
すでに米証券取引委員会(SEC)が承認している先物ETFと違い、現物ETFは実際にビットコインを保有して運用される。ヘイズ氏は今回、従来の資産運用企業がETFのためにビットコインを買い占め、それを保有するだけで使わなくなることのリスクを指摘している。
これは極端な見方であると述べた上で、同氏は「欧米や中国の大手資産運用企業が、供給されている全てのビットコインを保有した場合を想像して欲しい」と呼びかけた。
そして、一握りの企業がビットコインを独占し、利用されなくなればビットコインは移動しなくなるとし、そうなればマイナーは機器の電源を切ってしまい、ビットコインはなくなるだろうと述べている。
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代わりの仮想通貨
ヘイズ氏は、仮にビットコインがなくなるようなことがあれば、他の仮想通貨がビットコインの役割を果たす可能性があるとの見方も示した。
そして、その仮想通貨はビットコインに似ているかもしれないし、ビットコインに改良を加えた通貨かもしれないと説明。どちらの場合でも国家に管理されない通貨や金融システムが再度誕生するとし、その際は秘密鍵を従来の金融機関に手渡してはいけないということを人々が学んでいることを望むとした。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します