ビットコイン現物ETFの審査を意識か グレースケールが取締役会会長の辞任をSECに報告
取締役会会長が辞任
米暗号資産(仮想通貨)運用企業グレースケールは26日、米証券取引委員会(SEC)に書類を提出し、Barry Silbert氏が同社の取締役会の会長を辞任することを報告した。
他にもMark Murphy氏という人物も取締役を辞任。今回の人事は来月1日に実施されるというが、グレースケールは辞任の理由を明示していない。
Silbert氏の後任はMark Shifke氏。Shifke氏はこれまで、グレースケールの親会社であるデジタルカレンシーグループ(DCG)で最高財務責任者(CFO)を務めてきた。
DCGの前は、金融大手のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスでチームを主導した経験があり、約40年間、金融企業やフィンテック企業で勤務してきたという。
グレースケールの担当者は今回の人事について、「CoinDesk」に対し以下のようにコメントした。
当社は責任ある成長に取り組んでおり、新しいメンバーが取締役会に加わることを歓迎する。
グレースケールが次の章に備えるにあたり、金融サービスや資産運用における彼らの経験は当社や投資家に恩恵を与えるだろう。
辞任の理由
Silbert氏はDCGの最高経営責任者(CEO)を務めている。DCGは、子会社である仮想通貨融資企業ジェネシスが破産したり、投資家を騙したとして米国ニューヨーク州のLetitia James司法長官に提訴されたりして、苦しい経営状況が伝えられてきた。James司法長官はSilbert氏も告発している。
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今回の人事の理由は不明確だが、ブルームバーグでETF(上場投資信託)のシニアアナリストを務めるEric Balchunas氏は以下のようにコメントした。
報道されていること以上のことは私にはわからない。しかし私には、グレースケールがSECに対して、同社が良い企業であることを示そうとしているように思える。
良い企業というのは、(ビットコイン現物ETFを)ローンチする最初のグループに入れる価値があるという意味だ。
米国のビットコイン現物ETFの審査を巡っては昨日、SECがグレースケールらの申請企業に対し、「申請書の最終版を今月29日までに提出しないと1月初旬には承認しない」と説明したことがわかった。
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SECはこれまで仮想通貨の現物ETFを全て非承認にしてきたが、1月に初めて複数の企業を承認するとの見方が多く上がっている。
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