はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

DCG第3四半期決算発表、グレーススケールの寄与と財務問題の展望 収益は前年比で22.8%増

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DCGの第3四半期の決算概要

暗号資産(仮想通貨)コングロマリット企業デジタルカレンシーグループ(DCG)は最近、第3四半期(7-9月)の決算を発表した。連結売上高は1億8800万ドル(288億円)に達し、前年同期比で22.8%増加した。また、子会社ジェネシスの債務の一部を返済したことも報告された。

第3四半期の収益の大部分は、ビットコイン投資ファンド「GBTC」を管理する資産運用会社グレースケール・インベストメンツによるもの。グレーススケールはDCGの総収益の67%(1億2,600万ドル)を占めた。

関連:グレースケールの投資信託「GBTC」とは ビットコイン現物との価格乖離が注目される理由

GBTCとグレーススケール

執筆時点で、GBTC(Grayscale Bitcoin Trust)の運用総額は195億ドルに達している。グレーススケールはGBTCからの利益を公表していないが、GBTCの年間手数料率は2%。ファンドのAUMと手数料体系から、年間手数料収益は約3.9億ドル(約585億円)と推測される。

GBTCのAUM推移 出典:YCHARTS

今年8月には、ビットコイン投資信託「GBTC」からビットコインETFへの転換を巡るSECとの訴訟で、グレースケールが有利な判決を受けた。10月23日には、米連邦裁判所がSECに再審査を正式に命じた。

これを受けて、グレースケールはGBTCをETFに変換してArcaへ上場する申請案を再度提出した。投資家向けの書簡で、グレースケールは「SECの承認が得られ次第、GBTCをETFに転換する運営準備を整えている」と述べている。

これらのニュースはビットコイン市場に大きな影響を与えている。ビットコイン価格は上昇し、特に長期にわたっていたGBTCの「マイナスプレミアム(ディスカウント率)」も-48%から-13%に縮小した。

Grayscale Investments BTC プレミアム 出典:CoinGlass

関連:仮想通貨大手企業DCGとジェネシス債権者が暫定合意 貸し手グループは反対姿勢

DCGの財務問題と訴訟

DCGの財務報告においてもう一つ注目すべき点は、仮想通貨レンディングを行っていた子会社ジェネシス・グローバル・キャピタルの債務処理について。DCGはジェネシスに2億2,500万ドルを支払ったことを報告。これは、DCGが財務債務に真剣に取り組む姿勢を示すものであり、同社は残りの債務を処理する能力に「自信」を示している。

ジェネシスは、2022年12月にFTXグループの経営破綻に巻き込まれ、流動性危機に直面した。この債務問題は、DCGを親会社に持つグレースケールにも影響を及ぼす可能性があり、市場で懸念を招いていた。

DCGは、関連企業間融資として約919億円(約6億3,000万ドル)をジェネシスから借りていた。2023年5月が支払い期限となっていたが、DCGはこれを不履行としていた。また、DCGは2032年までに債務者に約1,458億円(10億ドル)を支払う約束手形を提供している。

さらに、米国ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は19日、投資家を騙したとしてDCG、DCGの子会社ジェネシス、仮想通貨取引所ジェミナイに対して訴訟を起こした。

ジェームズ司法長官は、2万9,000人のニューヨーカーを含む23万人の投資家が合計約1,500億円(約10億ドル)以上の損失を被ったとして、ニューヨークの金融投資業界での事業禁止、および投資家への賠償と不正利益の返還を求めた。

DCGは「我々はこれらの訴訟に対して精力的に対抗する。この件に関して正当性が証明されることを楽しみにしている」と、投資家向け書簡で述べている。

関連:NY州司法長官がジェミナイやジェネシスら提訴、投資家詐欺の疑いで

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10:35
「1兆ドル予測は楽観的すぎた」、 JPモルガン ステーブルコイン時価総額の2028年予測を下方修正、
JPモルガンはステーブルコイン市場の2028年予測を5000億ドルとし、他社の1-4兆ドル予測を否定。決済利用は6%に留まり、主用途は仮想通貨取引と指摘。
10:00
ビットコイン、クジラによる売却と機関投資家の需要が拮抗=報道
仮想通貨ビットコインの大口保有者が過去1年で50万BTCを売却する一方、機関投資家の需要増加により価格が膠着している。今後のビットコイン価格については様々な見解がみられる。
09:30
ロビンフッドCEO OpenAI株式トークン化を「革命の種」と表現も、提携否定で波紋広がる
ロビンフッドがOpenAI株式トークン化サービスを欧州で開始したが、OpenAIは提携を否定。テネフCEOは「トークン化革命」と強調するも、未上場株式の権利問題が浮き彫りに。
09:16
仮想通貨SEI、国内取引所OKJに新規上場へ
国内暗号資産取引所OKJが2025年7月8日からセイ(SEI)の取扱いを開始。ゴールドマンサックス・Robinhood出身者が開発した高速ブロックチェーンで、米国でETF申請も話題。入出庫は7月8日、売買は7月11日17時開始予定。
09:00
ビットコイン今年4度目11万ドル超え、株価相関強まり最高値更新も視野に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは3日に今年4度目となる一時11万ドル突破を記録した。7月3日から4日にかけて、トランプ政権の大きく美しい法案が可決されたことに加え、米雇用統計が底堅い推移を示したこと、さらにシンシア上院議員が暗号資産の減税法案を提出したことが追い風となった。
08:05
ETF購入減速でビットコイン価格上昇に陰りか、ETHは蓄積量が過去最高に=Cryptoquant分析
仮想通貨ビットコインETFとMSTR(ストラテジー)の購入は大幅減速、全体需要の縮小で価格上昇が鈍化。一方、イーサリアムは6月に蓄積アドレスが史上最高を記録、機関投資家による大量保有が続く。
07:45
米下院、7月14日の週を「仮想通貨週間」と指定 3つの主要法案を審議
米下院指導部が7月14日の週を「仮想通貨週間」に指定し、GENIUS法、CLARITY法、反CBDC監視国家法を審議すると発表。
07:25
IMF、パキスタンの仮想通貨採掘などへの補助金提供提案を却下
IMFは、パキスタン政府による仮想通貨マイニングなどのための電気代補助提案を却下。同国は、ビットコインのマイニングとAIのデータセンター向けに2,000MWの電力を割り当てる計画を発表している。
07:20
ビットコイン今後の価格、9.5万ドルまで下落の可能性も=アーサー・ヘイズ分析
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏は、8月のジャクソンホール会議まで市場が横ばいか軟調な展開を予想。TGA補充の影響でビットコインが9万~9.5万ドルまで下落する可能性があるという。
06:30
米国初のソラナ現物ETF、取引開始初日で出来高約48億円の好スタート
「REXオスプレイ・ソラナ・ステーキングETF」が7月3日に取引開始。米国初のステーキング機能付き仮想通貨現物ETFとして約100万ドルの運用資産で滑り出し。
06:10
米上場ナノ・ラボ、72億円で仮想通貨BNB追加購入
ナスダック上場のナノ・ラボが74,315BNBを約5000万ドルで購入。総額5億ドルの転換社債プログラム第1弾として、BNB流通量の5-10%保有を目指す。
05:50
上場企業の仮想通貨トレジャリー戦略に警鐘、F・テンプルトンが「負の連鎖」リスク指摘
フランクリン・テンプルトンのアナリストが流行する企業の仮想通貨トレジャリー戦略について分析。プレミアム維持の困難さと市場下落時の負の連鎖リスクに警告。
05:35
ルミス議員、仮想通貨税制改正法案を再提出 300ドル未満取引の免税など盛り込む
ルミス上院議員が仮想通貨税制改正法案を再提出。300ドル未満の小額取引免税、マイニング・ステーキング報酬の二重課税解消など包括的な改正を提案。
07/03 木曜日
18:23
Aptos LabsがYellow Cardと提携、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金開始 
Aptos LabsとYellow Cardが提携し、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金サービスを開始した。USDT・USDC対応で即時決済を実現し、数百万人のユーザーがステーブルコインをより迅速かつ手頃な価格で利用できるようになった。
18:10
ストラテジー社のビットコイン財務戦略:価値創造と潜在リスクの両面
米国のストラテジー(マイクロストラテジー)などビットコイントレジャリー企業の財務モデルを軸に、株式を通じた投資の仕組みやレバレッジ効果、税務上のメリットなどを解説。日本のメタプラネットなど類似上場企業の動きも取り上げ、再現性の条件やリスク要因を多角的に考察する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧