ユーザーのガス代を肩代わりすることも可能に アービトラム、L3に新機能実装
ガス代の肩代わりが可能に
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のL2ソリューション「アービトラム(ARB)」は5日、エコシステムで稼働するOrbitチェーンが独自のガストークンを使用できる機能をローンチしたことを発表した。
この機能が実装されたことで、各Orbitチェーンは取引手数料にイーサリアム以外のERC-20トークンを使用できるようになった。これにより、独自の経済圏を構築することも可能になる。
L2とは
「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待できる。
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Orbitチェーンとは、各プロジェクトが自身のニーズに合わせて構築したブロックチェーンのこと。このブロックチェーンは、アービトラムのエコシステムでL3チェーンとして稼働する。
今回の発表によれば、ガストークンをカスタマイズできるようにすることは、Orbitチェーンのエコシステムが最も望んでいた機能だという。これまでOrbitチェーンでは、取引手数料の支払いにイーサリアムしか使用できなかった。
活用事例
今回の発表では、ゲーム専用チェーン「Xai」らのプロジェクトが、すでにこの機能を活用していると述べている。
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Xaiでゲームを展開する「Ex Populus」の共同創設者は「The Block」に対し、以下のようにコメントした。
今回の機能を活用することで、ユーザーの取引手数料を肩代わりすることができるようになり、ユーザーの参入障壁を下げることが可能になる。
Web3ゲームの人気が高まらないのは、従来のユーザーが参入してこないからであると我々は考えている。
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The Blockによればアービトラムが発表している以外にも、モジュラー型のブロックチェーン「Celestia」らも今回の機能を実装するという。
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