ビットコイン相場は下落一服、上場投資商品の週間取引高は過去最高の175億ドルに
マクロ経済と金融市場
15日の米国株式市場は休場。本日の東京株式市場は、前場の日経平均株価は前日比109.7円(0.31%)安となった。
34年ぶり水準の3万6千円台まで高騰するなど上値追いが続いており、足元の過熱感が指摘される中、7営業日ぶりの反落となった。
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比0.43%高の1BTC=42,803ドルに。
グレースケールのGBTC転換をめぐる売り圧力のほか、半減期まで推定100日間を切る中、半減期後の採掘報酬減に備えたマイナー(採掘業者)売りが一巡したとの指摘がある。
13日までに10億ドル相当のビットコイン(BTC)が取引所送金され、マイナーの流出額を示す指標は、6年ぶりの高水準に達した。
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CoinSharesの最新のレポートによれば、ここ最近のアクティブマイナー数の急増に伴う採掘難易度上昇と、半減期後の採掘報酬の大幅減により、多くのマイナーの収益性が脅かされ、弱小マイナーは撤退を余儀なくされる可能性が高い。
過去の半減期のデータによれば、非効率なマイナーが採算が合わなくなりネットワークから排除される影響で、半減期以降の半年間の平均ハッシュレートは9%低下した。採掘速度を示すハッシュレートは2023年の内に104%増加し、設備への先行投資を進める大手採掘業者同士の競争激化を物語っている。
CoinSharesは、半減期後の平均生産コストを1BTCあたり37,856ドルと見積もっており、次回半減期後のマイナーの損益分岐点は、1BTC=40,000ドル前後になる見込みだ。
関連:次回ビットコイン半減期後のマイナー損益分岐点は1BTC=40000ドル|CoinSharesレポート
資産運用会社CoinSharesの週次レポートによれば、先週の上場投資商品(ETP)への資金流入は、11億8000万ドル増加した。
この規模は、1BTC=69,000ドルを記録し強気相場の真っ盛りにあった21年10月の先物ETF承認後の週間15億ドルの資金流入には及ばなかったものの、先週の取引高では過去最高の175億ドルを記録した。2022年の週平均取引高20億ドルと比較すると約9倍に上る。
ビットコインETF(上場投資信託)承認の影響により、ビットワイズ、グレースケール、21シェアーズなどの大手資産運用会社の仮想通貨投資商品への資金流入が前例のないほど急拡大した。
アーク・インベストメントと21シェアーズが提携して取引を開始したビットコインETF(上場投資信託)の初日取引高は600万株(2億7500万ドル)に達した。
BitMEX Researchがまとめたデータによると、承認された11件のビットコインETFは、純フローで計6億2,580万ドルを集め、機関投資家の強い関心を示している。
この点について21シェアーズのCEOは15日、ブロックワークスのインタビューで、「米国の金融機関のビットコイン市場への参入が正当化され、ビットコインETFが主流になるにつれて数週間〜数ヶ月以内に第2波が起こるだろう」と述べ、短期目線ではなく中・長期で市場を見るべきだと釘を刺した。
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アルトコイン市場
昨日時点でソラナ(SOL)価格は8%以上下落し、700万ドル以上のロングポジションがロスカット(強制清算)された。
The Blockの報道によれば、Aaveのガバナンスフォーラムがソラナネットワーク上でイーサリアムのdApps(分散型アプリケーション)を利用可能にするスマートコントラクトプラットフォーム「Neon EVM」にAave v3を展開する提案を検討している。
承認された場合、Aaveはソラナの流動性を融資(レンディング)サービスに利用できるようになる。
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