ジェネシス・グローバルがSECと和解へ 30億円の罰金支払いに合意
未登録証券裁判でSECと和解
2023年に破綻した暗号資産(仮想通貨)融資企業ジェネシスと米証券取引委員会(SEC)は、ジェネシスがSECに約31億円(2,100万ドル)を支払うことで和解した。
1月31日付の破産裁判所への提出書類によると、和解合意はSECとジェネシスの交渉の成果であり、SECが提起した民事訴訟の請求を解決するものだ。このことで、ジェネシスはSECとの訴訟が長引いた際のリスク、費用、様々な不確実性を排除できる。
ジェネシスの顧問らも、和解契約はジェネシスの財産とその債権者の利益を最優先にするものであると結論付けた。
背景として、SECは昨年1月、ジェネシスと仮想通貨取引所ジェミナイ(Gemini)が運営していた利回りサービス「Gemini Earn」が、未登録有価証券の募集・販売に該当すると主張して訴訟を起こしていた。
Gemini Earnは、顧客がジェミナイを介してジェネシスに仮想通貨を貸し付け、金利を得られるサービスだった。
今回、ジェネシスはSECが申し立てた不正行為について認めることも否定することもなく、罰金を支払って和解することに合意した格好だ。裁判書類によると、ジェネシスは顧客や他の債権者への資金返済に専念できるようになる。
ジェネシスは、顧客が「Gemini Earn」に入金した通貨の種類に応じて、現金または仮想通貨で返済する計画を進めている。2月14日には、裁判所に破産計画の承認を求める予定だ。
SECとは
1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。
▶️仮想通貨用語集
米ニューヨーク州当局とも和解
ジェネシスは1月、米ニューヨーク金融サービス局(NYDFS)とも和解したところだ。約12億円(800万ドル)の罰金を支払い、ニューヨークでの事業を停止することで合意している。
ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は昨年10月、ジェミナイ、ジェネシス、およびジェネシスの親会社である仮想通貨コングロマリット企業デジタルカレンシーグループ(DCG)を提訴していた。
ジェミナイはジェネシスへの投資リスクを隠し、ジェネシスは損失について世間に嘘をついたと申し立てていた格好だ。
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SECとバイナンス、コインベースの裁判
SECは、バイナンスやコインベースなどと主に未登録有価証券を焦点とする訴訟で係争中である。
SEC対バイナンスの訴訟では、両者が追加の証拠書類や証人喚問の必要性があるかどうかについて争っているところだ。裁判では主に何が「有価証券」にあたるかの定義も争点となっている。
対コインベース訴訟については、ブルームバーグの上級訴訟アナリストが1月、「コインベース勝訴の可能性が約70%」と意見した。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します