米マイニング企業Hut8 CEO、半減期後のビットコイン価格への影響と業界構造を分析
半減期後のビットコイン採掘業界
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の半減期が近づき、このイベントがBTC価格にどのような影響を及ぼすかについて、市場参加者の間で関心が高まっている。ビットコインの半減期は、マイナーに支払われるブロック報酬が現在の6.25 BTCから3.125 BTCへ半減するというもので、4月20日頃に設定されている。
この変化は、ビットコイン価格の変動とともに、マイニング業界全体に重大な影響を及ぼす可能性がある。過去にビットコイン価格が下落した際、一部のマイナーは経済的な圧力に耐えきれず破産する事態に陥った。また、価格下落時にはマイナーの株価も低下し、備蓄しているBTCの売却や業界からの撤退が見られた。
この背景の中、米マイニング企業Hut 8の最高経営責任者(CEO)、Asher Genoot氏はBloombergの2日のインタビューで、半減期に備えた業界の対応策について語った。Genoot氏によると、大手マイナーによる資金調達や合併などの措置が取られており、過去に経験したような売り圧力が緩和される可能性があるという。
Genoot氏はまた、業界内で最低コストのオペレーションを維持することの重要性を強調した。低コストオペレーターであれば、半減期後の収益性の問題を軽減し、業界の統合を乗り切ることが可能になると述べている。
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半減期後のBTC価格の見通し
Genoot氏は、ビットコインマイニング業界が2022年の資金難を経験した反省から、成長戦略として合併や株式を通じた資金調達へと舵を切っていることを指摘した。
2021年には、多くの企業がレバレッジ(借入金)を活用して成長を遂げたが、ビットコイン価格の下落とエネルギー価格の上昇に見舞われた2022年に、これらの企業の多くが負債の返済に苦慮し、破産法適用を申請した。
Genoot氏によれば、資本を調達する手段が限られている小規模オペレーターは依然として事業やオペレーションの拡大に苦労している。しかし、主に大規模事業者間への資本集中が進む中、企業買収や合併(M&A)の機会は増加していると予測している。
さらに、Genoot氏は2022年と現在の市場状況の違いを強調し、現在のビットコイン価格水準が多くの企業にとって一種の救済となっていることを指摘した。特に、ビットコイン現物ETFに対する機関投資家からの資金流入は需給バランスに大きな変化をもたらし、これが半減期後のビットコイン価格に新たな影響を与える可能性があるとした。
過去には半減期後の価格下落から数ヶ月で回復し、新たな高値を更新する傾向が見られたが、Genoot氏は今回はそのパターンが異なる可能性を示唆している。
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生産コストは16,000ドル
Hut 8は2023年6月に、マイアミを拠点とする「US Bitcoin」と合併しており、9,100ビットコイン(約6億ドル相当)の保有という強力な財務諸表を維持しているという。
Hut 8の平均採掘コストはホスティング施設を除くと約16,000ドル(242万円)、含むと約18,000ドル(270万円)であること。最もコスト効率の良い施設は再生可能エネルギー源の近くにマイニング施設を設置することで、生成される余剰電力を活用することも話題にのぼった。
例えば、風力発電所が生成する電力を直接利用するビットコインマイニングの施設などが挙げられる。供給過剰な場合には、電力会社が電力消費を促進する「マイナス価格」を利用してビットコインの清算コストを引き下げることができる。
Hut 8は、ビットコインマイニング、AI(人工知能)、HPC(高性能コンピューティング)を含む新技術とエネルギー集約型の用途の拡大を計画しており、カナダに5つのデータセンターを保有し、インドでの拡張も進めている。
Hut 8の株価は2日、ビットコインの価格変動に伴い約13%下落、今年に入ってから約30%下落している(執筆時点)。複雑な合併の過程やビットコイン市場の不確実性によるものである可能性が高い。
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