「ビットコイン半減期は年単位で見れば価格に大きなインパクト」Bitwise分析
過去の半減期データを分析
暗号資産(仮想通貨)インデックスファンドを提供するBitwiseは17日、ビットコイン半減期の長期的な影響は過小評価されていると述べた。
Bitwiseは2012年、2016年、2020年と過去三回の半減期を振り返っている。まず半減期の翌月には2012年で9%の上昇、2016年に10%の下落、2020年に6%の上昇があったと指摘。
さらに、半減期の翌年でみると2012年の半減期では8,839%の上昇、2016年の半減期では285%、2020年の半減期では548%の上昇が、それぞれ一年後に見られたと報告している。
つまり、短期スパンで見ると、相対的にそれほど大きな変動はないが、年単位の長期スパンで見た時のインパクトが圧倒的に大きいと述べる格好だ。
過去のデータを見ると、ビットコインの価格は半減期の前月には平均約19%上昇したが、半減期の翌月には約1.7%の上昇に留まっていた。Bitwiseは、これは短期的に見ると半減期が「事実売り」につながる出来事であることを示唆すると分析している。
一方で、年単位で見れば、半減期後のリターンは半減期前よりも高くなっていると説明した。
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半減期とは
ビットコインなど仮想通貨のマイニング報酬(=新規発行量)が半分に減るタイミングを指す。仮想通貨にはインフレを防ぐために「発行上限」が定められているものが多く、一定周期で訪れる半減期の度に、新規発行量が半分に減る仕組みになっている。供給量が減ることで希少価値が大幅に上昇し、価格が高騰しやすくなるため、仮想通貨特有の注目イベントでもある。
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ゴールドマン・サックスは慎重論
一方、投資銀行大手のゴールドマン・サックスは半減期についてより慎重な意見を披露している。同行の債券・通貨・商品・株式チームは4月12日付の顧客向けメモで次のように意見した。
過去3回の半減期では、その後にビットコイン価格が上昇したが、史上最高値に達するまでにかかった時間は各回で大きく異なっている。
また、過去の半減期でのマクロ経済的状況を考慮すると、過去のサイクルで起きた状況から、今回の半減期の影響を推定することには注意が必要だ。
過去の半減期には、先進国の金利が低く、金融市場でリスクオンを促進する環境にあった。ただし今回は、例えば米国二年債の金利が4.5%とまだ高い水準にある。
ゴールドマン・サックスは、半減期はビットコインの供給量上限を投資家に意識させるものではあるが、中期的な見通しはETFの普及に左右されると推測した。
半減期まであと2日に迫っているが、識者の間では様々な意見が聞かれるところだ。
米上場BTCマイニング企業マラソン・デジタルのフレッド・ティールCEOは、半減期はすでに現在のビットコイン価格に織り込まれている可能性があるとの見解を述べている。
また、仮想通貨取引所BitMEXの創業者アーサー・ヘイズ氏は、米ドルの流動性低下などを背景にして、ビットコインは半減期前後に売り圧に晒されると話した。
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